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泌尿・生殖器系
乳 が ん

 

◆どのような病気か?◆
 乳がんとは、乳腺に発生する悪性腫瘍の1つで、最も注意を要するものです。痛みを伴わないため、気つかず手遅れになることもあり、集団検診、自己検診による早期発見がきわめて大切です。
 原因は不明ですが、生活の欧米化と関係があるといわれます。脂肪摂取量の多い人、太った人に多い傾向があります。また、独身女性(未産の人)、初潮が早く、閉経が遅い人、初産年齢の高い人、出産回数が少なく、授乳をしない人、月経期間が長い人、すなわち女性ホルモンが活動する期間が長い人に多く発生する傾向にあります。血縁者に乳がんの患者さんがいる人、乳腺症など良性乳腺疾患の既往のある人もやはり乳がんが多い傾向にあります。好発生年齢の中心は40〜60歳代で、それ以降は減少傾向にあります。しかし、大都市では、閉経後の高年齢層の乳がんが増加傾向にあります。
 忘れてならないのは男性の乳がんで、全乳がんの1%を占めることです。男性でも高年齢層に多く、けっして無視できないがんの1つであるといえます。

◆症状と特徴◆
 体表臓器である乳房に発生するため、目で見たり(視診)、触れる(触診)ことができます。いちばん大切なのは乳房のしこり(腫瘤)で、90〜95%はこの症状です。約5%は、乳頭異常分泌が初発症状で、血性のことが多く、これのみが乳がん発見のきっかけとなることがあります。そのほかには、乳頭陥凹、びらん、掻痒感、皮膚の発赤、皮膚潰瘍などの症状も、進行してくるとみられます。
 乳がんのしこりは、乳腺のなかに触れます。中心に固いしんをもち、表面がでこぼこしていて、形は不整、境ははっきりせず痛みはありません。良性腫瘍に比べて、ころころと動きません。大部分が一側性、単発性です。
 組織学的に浸潤がん、非浸潤がん、パジェット病などに分けられ、それぞれ、約95%、5%、1%の割合です。浸潤がんは、浸潤性乳管がん(85%)、特殊型(10%)に分けられます。
 パジェット病というのは、初老女性に多い乳頭のがんで乳頭に湿疹様のびらんが生じ、徐々に乳輪や周囲の皮膚に進展するとともに血性の分泌液を生じます。進行すると、乳頭の変形をきたしますが腫瘤を触知せず、掻痒感以外の症状はほとんどありません。
 診断は、視診・触診法が基本かつ重要ですが、補助的にはマンモグラフィ(乳房のX線撮影)や超音波検査が同時に行われます。治療は、病気の進行度に応じて異なりますが、原則としてがん巣と転移リンパ節の切除です。

緊急時の応急処置
 しこりを触れたからといっても、すべてががんというわけではありません。緊急の対象となることはまれです。しこりの80%は、線維腫や乳腺症などの良性腫瘍です。あわてず乳腺専門外来や外科を受診します。

 

 

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