◆どのような病気か?◆
三主徴(血尿、浮腫、高血圧)のうち血尿を必須条件とし、浮腫(むくみ)あるいは高血圧のいずれかを合併した急性、初発の発病で、発病後1年未満のものと定義されます。紫斑病性腎炎、各種膠原病に随伴する腎炎、遺伝性腎炎、特発性腎出血、反復性血尿症候群、腎盂腎炎、発症期不明で尿異常が発見されてから1年未満の原発性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎の急性増悪などをできるだけ除外したものです。
◆症状と特徴◆
症状は、全身のだるさ、高血圧症、またまぶたがむくんだり体重の増加や乏尿、血尿などがあり、特徴的です。多くの場合、かぜなどに感染してから、1〜3週間ほどたってから起こります。
急性糸球体腎炎は、症候群(症状の集まり)です。最近では、これまで腎疾患がない人に急に(肉眼的)血尿、タンパク尿、高血圧、浮腫、乏尿などが認められた場合に、これを総称して急性糸球体腎炎症候群といいます。
そこで、血尿、タンパク尿をみる他の疾患をできるだけ除外する必要があります。臨床経過をみて腎生検が可能であれば、疾病の治療、予後判定のために、行うほうがよいでしょう。鑑別疾患を表に示します。
◆治療◆
治療は安静・保温で、浮腫、高血圧に対して塩分、水分の制限、さらに降圧薬、利尿薬の投与が行われます。高窒素血症出現時には高カロリー・低タンパク食とします。進行例には抗凝固療法、線溶療法、ステロイド療法が行われます。症例により血液透析療法を必要とする場合もあります。
予後は比較的良好ですが、15〜20%が慢性化の経過をたどります。うっ血性心不全、高血圧脳症、急性腎不全を発病1週間以内に合併したときは、重症となります。 |
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