泌尿・生殖器系
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泌尿・生殖器系
糖尿病性腎症

 

◆どのような病気か?◆
 糖尿病患者にみられる腎病変には、多彩な変化が認められますが、それらをまとめて、糖尿病性腎症とし、糖尿病に起因するか、これと密接な関連を有する腎病変を示します。糖尿病の合併症としては、網膜症と同様に重要です。実際的には、糖尿病でタンパク尿などの腎障害を伴うもののうち、明らかに糖尿病と直接関係のない腎疾患の合併を除外したものを、一括して糖尿病性腎症とよんでいます。 
 糖尿病性腎症の病期分類を表に示します。

▼糖尿病性腎症の病期
病期 経過 腎機能(糸球体ろ過値) 血圧
I.早期腎肥大機能亢進期 糖尿病の診断時存在 20〜40%増 正常
II.無症候期 2年後〜 20〜30%増 正常
III.初期の糖尿病性腎症 10〜15年 20〜30%増 しばしば上昇
IV.臨床的腎症 15〜20年 下降 ほとんど高血圧を合併
V.末期腎不全 25〜30年 10ml/分 高値
(Mogensenの分類より一部変更)


◆症状と特徴◆
 症状として、タンパク尿、尿中アルブミン、尿細管性タンパクの増加、浮腫、体重増加、網膜症の合併を認めます。

◆治療◆
 糖尿病性腎症に対する治療としては、血糖コントロール(主として病期T〜 V)が行われます。これは、空腹時の血糖を140ミリグラム/デシリットル以下とし、ヘモグロビンA13を7.5%未満とします。また、血圧のコントロール(主として病期T〜W)を行います。最大血圧140ミリ、最小血圧90ミリ以下となるようにします。
 食事療法としてタンパク制限食(病期T〜W)にします(0.65〜0.85グラム/キログラムのタンパク制限)。また、透析療法や腎移植(病期W)も行われます。
 透析療法に導入される原因疾患の第2位が糖尿病性腎症(アメリカでは第1位)であり、慢性糸球体腎炎と比較すると、血液透析療法の予後は、著しく低いものとなっています。

 

 

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