◆どのような病気か?◆
慢性に経過する糸球体腎炎は、異なる症状や、組織の変化が異なる疾患の集まりですが、わが国では、慢性に経過する原発性糸球体腎炎をまとめて慢性糸球体腎炎としています。つまり、タンパク尿、血尿、円柱尿の存在や高血圧が持続する原発性腎炎を慢性糸球体腎炎とよぶことが多いです。
◆症状と特徴◆
症状として、タンパク尿(ときにはネフローゼ)、血尿、円柱尿、高血圧などが認められ、腎機能低下、クレアチニンクリアランス(糸球体ろ過値)が60ミリリットル/秒以下の症例では多くが進行性の経過を示します。
慢性腎盂腎炎、間質性腎炎、高血圧性腎硬化、二次性糸球体腎炎(糖尿病、ループス腎炎)、起立性タンパク尿、急性糸球体腎炎、遺伝性腎炎、多発性嚢胞腎との鑑別診断が必要です。
◆治療◆
慢性腎不全と同様に、食事療法と薬物療法に大別されます。食事療法では、低タンパク食(1.0〜0.8グラム/日)、低塩食(6〜8グラム/日)、カロリー制限(30〜33キロカロリー/キログラム)、水分制限(腎機能が正常で乏尿、浮腫がない場合には制限がありません)が行われます。
薬物療法は、血尿、タンパク尿に対しては、抗血小板薬、抗凝固療法、線溶療法、副腎皮質ステロイド薬が用いられます。また、高血圧に対しては、降圧薬、利尿薬の投与が行われます。 |
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