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泌尿・生殖器系
子宮がん

 

◆どのような病気か?◆
 子宮は、女性の骨盤内に位置する西洋梨状の臓器で、腟に近い部分の子宮頚部と、奥にある子宮体部とに分けられます。子宮がんは子宮に発生する悪性腫瘍の1つで、それぞれ子宮頚がんと子宮体がんに分けられます。わが国では女性の悪性腫瘍のうちで胃がんに次いで発生率が高いがんです。自治体による集団検診が普及した結果、早期発見率が高くなり、死亡率は減少傾向にあります。子宮頚がんは子宮体がんの5〜6倍発生し、子宮頚がんの絶対数は子宮体がんに比べて多いものの、罹患率においては、子宮頚がんはしだいに減少傾向にあるのに対し、子宮体がんは近年漸増傾向にあります。
 原因は不明ですが、子宮頚がんは多産婦に多い傾向があり、ウイルス感染と関連があるといわれ、子宮体がんは女性ホルモンの長期にわたる連続的な刺激や未婚、不妊、生活パターンの欧米化と関連があるといわれています。また、子宮頚がんは40歳代後半に最も多いのに対し、子宮体がんは50歳代にいちばん多く、その後は減少傾向にあります。しかし、患者の75%は閉経後の女性に発見されるともいわれ、わが国が高齢化社会を迎えつつあることを考えると、子宮体がんの増加は今後も続くものと予想されます。とくに更年期障害をはじめとする種々の疾患で最近ホルモン療法が行われることが多く、注意すべき期間が長くなりつつあります。

−子宮頚がん−
◆症状と特徴◆
 初期は無症状です。性交時の出血が唯一の症状のことがあります。帯下(おりもの)も増えたりします。進行すると断続的、持続的な出血(不正出血)が起こるようになり、独特な悪臭を放つおりものが分泌されるようになります。出血量が多くなると、貧血になります。老人の場合、閉経となり実際には生理が終わっているのに、不規則な生理が続いているものと勘違いして受診が遅れ、発見が遅くなることもあるので注意が必要です。
 がんが膀胱や直腸など周囲に浸潤し始めると、排尿障害や腹痛、腰痛、むくみなどの症状が現れます。子宮頚がんは進行度によって0〜IV期までに分類され、治療の内容は異なります。

−子宮体がん−
◆症状と特徴◆
 近年、子宮体がんの発生は増加傾向にあるといわれ、50歳代がいちばん多く、60歳代がこれに続きます。子宮頚がんに比して老人に多いのも特徴の1つです。子宮体がんは初期は無症状であることが多く、進行してはじめて症状がでることがあります。不正出血は大切な症状です。子宮体がんの発生が閉経後に多いために、この出血を単純な更年期出血と見誤る危険があり、注意が必要です。老人では、突然の出血をみたら、子宮体がんを疑い検診を受けるのがよいでしょう。
 おりものも大切な症状です。最初はあまり特徴はありませんが、進行するにつれて血性や膿性となり、悪臭を放つようになります。量も増加します。がんが大きくなり子宮留膿腫ができるようになると、下腹部痛が起こり、悪寒、発熱を伴うようになります。
 子宮体がんは、子宮体部内膜より発生し、ほとんどが腺がんです。分化度の低いものほど悪性度が高く、浸潤やリンパ節転移の傾向が強いのが特徴です。子宮頚がんと同様、進行度により0〜IV期に分けられます。子宮体がんの主たる治療法は、手術療法です。

緊急時の応急処置
 子宮体がんで緊急を要する状態は、家庭で療養しているときの転移や出血に対しての処置です。予想されるときはあらかじめ主治医と話し合っておくとよいでしょう。

 

 

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