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泌尿・生殖器系
膀 胱 炎

 

◆どのような病気か?◆
 膀胱に炎症を起こす病気で一般の細菌感染症です。起炎菌は一般に細菌数が女性のカテーテル尿で104/ミリリットル以上、中間尿で105/ミリリットル以上、男性の中間尿で104/ミリリットル以上とします。
 急性単純性膀胱炎、慢性膀胱炎、複雑性膀胱炎、留置カテーテルに伴う膀胱炎、その他の膀胱炎に分類されます。

◆症状と特徴◆
 症状は、頻尿、排尿時痛、残尿感、下腹部不快感、膿尿、血尿、タンパク尿、発熱などが認められます。
(1)急性単純性膀胱炎
 細菌感染による急性炎症です。外陰、外尿道口付近の細菌が尿道を上行して膀胱に侵入し発症します。20歳代、30歳代の女性に多く、性交、妊娠、出産、排尿の我慢、冷え、感冒、便秘などが誘因となります。排尿痛、頻尿、残尿感に加えて、発熱、腰部痛があれば腎盂腎炎の合併を考えます。起炎菌としては大腸菌が80%を占めます。
 治療は抗生物質、化学療法薬を使用します。
 水分を十分にとり尿量を増やすことを心がけるようにします。女性の場合は細菌の尿道への侵入を防ぐことが重要です。
(2)慢性膀胱炎
 明らかな基礎疾患を発見できずに慢性に経過する膀胱炎です。中年の女性に多く、基本的には急性膀胱炎と同じ症状を訴えますが、症状の程度は軽いけれども数か月以上にわたって継続するものが多くあります。尿所見は軽度かほとんどみられません。しかし、膀胱鏡検査では膀胱内に軽い発赤や浮腫を認めます。
(3)複雑性膀胱炎
 尿流障害を起こす原因となる病態や、感染防御機構を有する正常尿路粘膜を破壊する膀胱がん、結石、異物の存在により引き起こされます。起炎菌としての大腸菌は減少し、セラチア、緑膿菌、腸球菌、エンテロバクターなどが多く複数菌感染で抗菌剤に抵抗を示すことが多いです。
(4)留置カテーテルに伴う膀胱炎
 カテーテルの留置による尿感染は必発で、その理由は、細菌が尿道とカテーテルの隙間を上行して膀胱内に侵入するからです。カテーテルによる持続導尿を行っても、膀胱内には、つねに10ミリリットル以上の残尿が存在し、この尿中で細菌が増殖し炎症を引き起こします。起炎菌は複雑性膀胱炎と同様です。
(5)その他の膀胱炎
 放射線照射後の放射線性膀胱炎、抗免疫剤による出血性膀胱炎、抗喘息薬による好酸球性膀胱炎、自己免疫疾患と考えられる間質性膀胱炎などがあります。

 

 

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