尿路とは腎臓から外尿道口まであり、おのおのの部位で起こる細菌感染症です。腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎が含まれます。
腎盂腎炎、膀胱炎の発生頻度は性別と年齢に密接に関係しています。
10歳ごろまでの幼小児では先天性尿路異常を基礎疾患とする複雑性尿路感染症が多く性差はほとんど認められません。
思春期前後には尿路感染症は少なく、20歳ごろから女性は結婚、妊娠、出産に関連した単純性の急性膀胱炎と腎盂腎炎が多くなります。この時期、男性では性感染症と前立腺炎が多く、膀胱炎は前立腺炎に併発したものか、膀胱異物などの基礎疾患のあるものに限られます。
高齢になるにしたがって男女とも、基礎疾患を有する複雑性の膀胱炎と腎盂腎炎が増加します。
老人は、体力が低下しているためにこれらの疾患にかかりやすく、また、寝たきりなどでおむつを使用したり、尿失禁がある場合は、細菌に感染しやすくなるのでとくに注意が必要です。また、排尿をがまんすると膀胱内で細菌が繁殖しやすいので排尿はがまんしないようにしましょう。 |
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