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泌尿・生殖器系
前立腺がん

 

◆どのような病気か?◆
 前立腺は、男性の膀胱と陰茎との間に存在する臓器で、その中央を尿道が貫いています。前立腺がんは前立腺肥大症と違い、その辺縁部より発生します。したがって、前立腺がんの場合は長い間気づかれず、進行しないと排尿障害がでてこないのが普通で、わかったときにはかなり深刻な状況になっているといったことも考えられます。また、前立腺肥大症と合併して前立腺がんになることもあります。
 前立腺がんは代表的な高齢者のがんで、受診時の平均年齢は約70歳です。最近では男性の泌尿器系悪性腫瘍のなかで最も多く、増加傾向にあります。
 その発生原因は不明ですが、高齢になると女性ホルモンの減少が起こり、性ホルモンがアンバランスになることが原因の1つともいわれています。

◆症状と特徴◆
 初期にはとくに症状はありません。年齢的に、前立腺肥大症の合併があるので多くは肥大症の症状、すなわち頻尿、排尿困難、残尿感などがおもな自覚症状です。進行し周囲の組織を圧迫したり浸潤したりすると、はじめて排尿障害や血尿、膀胱刺激症状が出現します。さらに進行すると、リンパ節や骨(とくに腰椎、骨盤骨、肋骨)に転移し、前立腺がんに特徴的な腰痛や骨痛を伴います。このような症状がでたときには、すでに周囲に浸潤していることが多く、前立腺がんは診断時にはその80%が進行がんです。
 診断は、直腸診といって肛門から指を挿入し前立腺を触れてみる検査を最初に行います。がんが疑われると、前立腺生検を行います。麻酔下に細い針を刺し前立腺の一部を採取して、がんかどうかの病理診断をする検査です。血液で前立腺性酸フォスファターゼを測定することも早期発見や治療効果の判定に有効です。腫瘍の全体像、転移の有無や広がりを調べるため尿道造影や内視鏡検査、超音波(エコー)検査、CTスキャンなども行われます。

緊急時の応急処置
 下部尿路の通過障害による排尿障害が問題となります。尿閉は、膀胱より下位の尿路に通過障害があるため、膀胱に尿がたまっているのに排尿できない状態で、下腹部に尿で充満した圧痛のある膀胱を触れます。このようなときは、導尿のためすみやかに医療機関を受診する必要があります。腹圧はかけないように注意します。

 

 

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