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胆 石 症

 

◆どのような病気か?◆
 胆嚢、胆管などの胆道のなかで、胆汁の成分からつくられる石を胆石といいます。胆石は、その構成成分によってコレステロール胆石と色素胆石(ビリルビン胆石)の2つに大きく分けられます。コレステロール胆石は、胆嚢内でコレステロールが結晶化したもので、一方ビリルビン胆石は、胆汁中のビリルビンとカルシウムが結合して石となったものです。老人に多いのはビリルビン胆石です。また、胆石のある場所によって、胆嚢胆石、胆管胆石、肝内胆石とに分けられます。
 胆石ができやすい条件としては、胆汁成分の変化、胆汁のうっ滞、胆道の感染などがあげられ、胆石の形成を促進する因子として、脂肪を中心とする食事のとりすぎ、肥満、回虫や肝ジストマなどの寄生虫、運動不足などがあげられます。
 日本人の胆石保有率は、食生活の欧米化、すなわち脂肪の摂取量の増加とともに増える傾向にあり、現在は15〜20%の人が胆石をもっているのではないかと推測されています。ちなみに胆石のうちコレステロール胆石が80%、ビリルビン胆石が10%前後の割合を示しており、とくにコレステロール胆石は1対2の割合で女性に多い傾向があります。また、年齢が高くなるほど胆石の保有率も高くなり、60歳以上の老人では、若い人の2〜3倍も多いといわれています。さらに、女性のコレステロール胆石以外に男性の胆管内のビリルビン胆石も多くなります。
 老人の胆石は無症状胆石が多いのですが、いったん発症すると急激に悪化しやすいので、けっして侮れません。

◆症状と特徴◆
 胆石症の最も特徴的な症状は、胆石仙痛発作とよばれる急激に起こる激しい発作性の上腹部痛です。脂肪分の多い食事(天ぷら、うなぎ、中華料理など)をとってから数時間後に出現することが多く、一般的には夕食後の寝入りばなに起こりやすいようです。これは、胆石が胆嚢管や胆管の末端に嵌頓することによって起こります。本人は「胃けいれん」と感じることがあります。悪寒、戦慄、発熱などを伴うこともあります。腹痛は、心窩部(みずおち)から右季肋部(右脇腹)にかけて出現し、右肩や背中へ放散していきます。
 ただ、老人の場合このように激しい仙痛発作を起こさなくても、右脇腹の鈍痛、重圧感、右肩のこり、右背部痛などの症状だけのこともあります。また、なんら症状がない人も珍しくありません。胆石の嵌頓により、胆嚢炎を伴って、腹痛、発熱とともに黄疸がみられることもあります。
 検査には、腹部超音波検査法があり、胆石が存在することを比較的簡単に調べることができます。

緊急時の応急処置
 胆石症は、さきに述べた合併症を起こしているときは、原則的に緊急手術が必要です。また、上腹部の激しい発作性の痛みが出現したときは、急性膵炎、潰瘍の穿孔、狭心症、急性心筋梗塞などの鑑別も必要ですので、すみやかに医療機関を受診してください。

 

 

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