胆嚢は肝臓から分泌された胆汁を蓄え、濃縮する臓器です。
胆汁の成分として胆汁酸、リン脂質、コレステロール、胆汁色素などがあります。胆汁酸や胆汁色素は腸管内へ分泌されたあと複雑な過程を経て腸から吸収されて再び肝臓に戻り、そこから再び分泌されるという腸肝循環という往復をしています。
◆どのような病気か?◆
細菌が胆道(胆嚢と胆管)内に侵入すると、感染して炎症を起こします。とくに胆汁の流れが悪くて、胆嚢内あるいは胆管内に胆汁のうっ滞を起こしているときは、細菌が感染しやすくなります。原因となる細菌として最も多いのは大腸菌です。この感染が起こる部位によって、胆嚢炎、胆管炎と分類されますが、両方同時に起こることもあり一括して胆道感染症とよばれています。
細菌感染のほかに、胆嚢頚部、胆嚢の出口、総胆管などに胆石が嵌頓して閉塞したときにも、胆嚢炎は起こりやすくなります。
胆嚢炎の直接的な原因は細菌感染ですが、その発症には胆石や胆汁の流出障害などが大きく関与しています。
◆症状と特徴◆
右季肋部痛(右脇腹の痛み)、寒け、ふるえ、発熱、心窩部痛などが出現します。吐きけ、嘔吐を伴うこともあります。疼痛は持続性で、胆石の仙痛発作とは異なります。また、嘔吐によって胆道内圧が低下すると一時的に腹痛が軽減することもあります。
胆嚢炎には胆管炎が合併することが多く、進行すると黄疸が現れることがあります。上腹部痛、発熱、黄疸を繰り返します。
緊急時の応急処置
早期診断・治療と、場合によっては緊急手術も必要ですので、すみやかに専門的治療のできる医療機関へ搬送させるようにしましょう。 |
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