◆どのような病気か?◆
慢性気管支炎とは、痰を伴うせきが3か月以上毎日続く状態が2年以上にわたるものです。気管支への刺激が長期に反復して行われてくると、急性の症状がないまま発病してきます。老人では加齢による肺の機能的・形態的変化に加え、長年の喫煙、大気汚染、感染の繰り返しにより発生してきます。最も大きな原因は、喫煙によります。はじめは1年以上かかり徐々に進行していきます。気管支粘膜からの分泌物が多くなる、気管支に細菌の感染が起こる、気管支が閉塞する、などが特徴です。
◆症状と特徴◆
朝、粘稠なころりとした痰が出ることが初期の症状です。普段はとくに症状はないのですが、タバコを吸ったり、冷たい空気を吸ったりすると激しくせき込むようになります。慢性気管支炎が進行するのにしたがい、痰の性状が変化してきて濃厚なゼラチン状となったり黄緑色の固形様になってきますが、このようになると気管支粘膜からの分泌物が多くなり、細菌感染が加わった状態ですので、かなり進行したものといえます。痰が気管支からとれにくいため頑固なせきが続きます。また、気管支が狭くなるためヒューヒューといった「喘鳴」が聞こえます。かぜなどの感染症にかかりますとさらに症状の増悪を認め、著しい呼吸困難な状態となります。
緊急時の応急処置
慢性気管支炎の人は平素から肺機能に予備力が少ないために、呼吸器感染を起こすと急激に悪化して心肺不全となり死亡することも少なくありません。その原因として脱水がありますので、急激な呼吸困難の出現時には十分な水分補給が必要です。また酸素吸入なども必要ですので、早急に内科、できれば呼吸器科を受診したほうがよいでしょう。
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