◆どのような病気か?◆
肺気腫とは、肺が拡張して肺のなかの空気の量が増加した状態をいいます。呼吸困難や息切れを起こす病気で、慢性気管支炎や気管支喘息がもとで起こります。
原因は、年齢が進むに従い、肺はしだいに弾力を失ってきます。これを老人肺とよびますが、この老人肺に種々の環境因子が加わり肺内に繰り返し感染が起こり、肺気腫に進行すると考えられています。この環境因子のなかでも、とくに注目されているものが喫煙です。タバコが気道を慢性的に刺激し、気管支の細い部分に炎症が生じます。炎症が起きると粘稠性の高い痰が増え、この痰を排出することがしだいに困難となり気管支に付着するようになります。そのため、さらに肺の弾力性が低下してきます。気道が細くなるため空気が流出しにくくなり、肺がさらに膨らんできます。
◆症状と特徴◆
最初の症状は、運動時の息切れです。安静時は無症状ですが、階段をのぼったりするとひどい息切れが起こるようになります。病気が進むと、少し体を動かすだけでひどい息切れを起こすようになります。息を吐くときには気道が狭いためにヒューという音が聞こえます。長期の病気により、胸郭はビール樽のように丸くなってきます。肺におけるガス交換が十分行われなくなるために血液中の酸素が不足し、くちびるや指先が紫色(チアノーゼ)になったり、つめが太鼓のばち(太鼓ばち指)のようになります。
緊急時の応急処置
呼吸困難が出現したときの応急処置としては、酸素吸入が必要です。家に酸素吸入の設備がないときは早急に酸素吸入ができる病院に運ぶ必要があります。
|
|