◆どのような病気か?◆
一時的に脳の一部分で循環障害(脳血流の低下、または途絶)が起こり、脳神経症状をきたすものですが、24時間以内にその症状は完全に消え去ってしまうものを一過性脳虚血発作(TIA)とよび、「いっとき中風」といわれていたものにあたります。
その原因は動脈硬化病変部にあった微小な血栓がはがれ、脳動脈の末梢部を一時的に閉塞したためです。その後、血栓は溶解され断片化して流れ去り、血流は回復し、脳神経症状も改善されます。
◆症状と特徴◆
脳の主幹動脈は前3分の2に血液を送る内頚動脈系と後ろ3分の1に血液を送る椎骨脳底動脈系に分けられます。内頚動脈系に生じたTIAでは、半身感覚鈍麻(しびれ感、感覚脱失)、半身不全麻痺、失語症、視野異常を呈することが多く、椎骨脳底動脈系では眩暈(めまい)、構語障害、視野異常、脱力発作などがみられます。
中年以上の動脈硬化性疾患をもつ人に起こりやすい病気です。
緊急時の応急処置
着衣を緩め安静にします。手足の麻痺、感覚障害、失語、めまいなどの症状の経過を観察する必要があるとともに、他の疾患との鑑別を行わなければならないので神経内科を受診し、CT、MRIの検査を受けることが大事です。 |
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