◆どのような病気か?◆
脳は内側より脳軟膜、くも膜および硬膜でおおわれていますが、くも膜と軟膜の間に出血を起こす疾患をくも膜下出血とよんでいます。その原因は脳動脈瘤、脳動静脈奇形(脳血管腫)などが破れて起こるのが大部分です。そのほか頭部外傷、高血圧(動脈硬化性出血)によっても起こります。
◆症状と特徴◆
突然激しい頭痛が起こります。頭痛は軽度のものから意識障害を伴う強度なものまであり、強度な頭痛は「引き裂かれるような」「斧で頭を割られたような」などと表現されます。そのほか、項部硬直(首の後ろの部分が硬直する)をみます。また、吐きけ、嘔吐があるのも特徴です。
大部分の症例では運動麻痺や感覚障害はみられませんが、少数例にこれらの症状を伴うこともあり、また動眼神経麻痺(眼球を内側、上方、下方に動かすことができない)が起こることもあります。
この疾患は、老人だけでなく若年者でも発症します。
緊急時の応急処置
嘔吐、意識障害、痙攣をきたすこともあるので、着衣を緩め、静かな場所に安静に寝かせます。吐物により窒息する恐れもあるため、顔は横に向けます。頭部は挙上したり、下げたりしないで水平に保ちます。痙攣を起こしたときには、舌をかみ切ったりしないように、タオルやガーゼを巻いた物を口腔内に浅く挿入します。この際、手指をかみ切られたりしないように注意します。
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