◆どのような病気か?◆
脳の血管(動脈)が動脈硬化(血管壁が固くなったり、厚くなったりして、内腔が狭くなり、血液が流れにくくなった状態)を起こすと、動脈壁は弾力性を失いもろくなり、そのため血管壁は血圧に対する抵抗力がなくなり、小動脈瘤(細い動脈の壁が血圧に耐えきれなくなり、ふくらんだもの)ができます。さらに、血圧が急激に上昇するときに小動脈瘤は破れて、いわゆる脳出血を起こします。このように脳出血は脳動脈硬化の基礎疾患のうえに高血圧が原因で起こるのが普通で、通常、高血圧性脳出血といっています。
出血の部位により被殻出血(外側型脳出血)、視床出血(内側型脳出血)、皮質下出血、脳幹出血(橋出血)、小脳出血および尾状核出血に分けられます。
◆症状と特徴◆
脳出血は通常、なんの前触れもなく突然に起こり、数分から数時間のうちに症状が現れます。症状としては頭痛、吐きけ、嘔吐、意識障害と同時に、出血部位によって異なりますが、病巣と反対側の顔面、手足の運動麻痺、言語障害などの神経症状がみられます。
血管奇形がある場合には若年者にも発症しますが、通常40歳代以後に、とくに高血圧をもっている人に発症しやすいです。
緊急時の応急処置
衣服を緩め、安静に寝かせます。このとき、嘔吐をきたし、吐いた物が気管に入り窒息を起こすこともあるので、顔は横に向けておくようにします。頭部は挙上したり下げたりしないで水平位に保ちます。このような状態にして、医師の診察または救急車の出動を待ちます。
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