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脳・神経系
パーキンソン病

 

◆どのような病気か?◆
 手指のふるえ(振戦)、動作緩慢と無動を生じます。その原因は脳の中脳黒質部の変性によって起こります。身体の運動は黒質、線条体などの基底核といわれる部分によって、その巧緻性が保たれていますが、それは黒質からの線条体に連絡する神経線維を介してドパミンという神経伝達物質が円滑に輸送され、放出されるために保たれています。パーキンソン病では黒質の変性のため線条体よりドパミンの放出が減少しています。

◆症状と特徴◆
 パーキンソン病の発症年齢は20〜70歳代に及びますが、その大部分は50〜60歳代に発症します。発病は緩やかで、初発症状は振戦、歩行障害、動作緩慢のいずれかが起こり、筋の固縮(筋が固くなって動かしにくい)や仮面様顔貌(表情が乏しい)がみられます。そのほか脂漏性顔貌(脂質の分泌異常により顔面がテカテカしてくる)、多汗、流涎、起立性低血圧、便秘、排尿障害といった自律神経障害もみられます。また精神神経症状として抑うつ状態や痴呆症がみられます。
 パーキンソン病の特徴は「丸薬まるめ運動」といわれる親指と人差し指で丸薬をまるめるような運動(振戦)が安静時にみられることで、これは動作時には減少し精神緊張時に増強します。また固縮は四肢の関節を他動的に屈伸させた際に抵抗として感じられるものです。それはあたかも鉛管を曲げるときのような抵抗(鉛管現象)で、そのうえに断続的な歯車様の抵抗(歯車現象)を感じることもあります。そのほか、立位姿勢は特徴的で、上体は前傾・前屈となり、腕は肘で屈曲し、下肢も膝で屈曲します。歩行は、前述の姿勢で、腕を振らずに、歩幅は狭く小刻みに歩きます。また、いったん歩き始めると足が体についていけず、小刻みにしだいに速足となり止まらなくなり(突進現象)、転倒の原因となります。

緊急時の応急処置
 徐々に増悪してくる疾患なので、緊急時の応急処置を必要とすることはあまりありませんが、抗パーキンソン病薬を服用中に、前述する種々の副作用のみられるときは、神経内科を受診し、治療薬の見直しをしてもらってください。

 

 

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