−循環器系−
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循環器系
心 不 全

 

◆どのような病気か?◆
 心臓の収縮力や拡張力が低下し、身体の各部に必要な血液循環が不足した状態が心不全で、心臓弁膜症、心筋梗塞、心筋症などあらゆる心臓病の末期に現れる病態です。心筋の変性や虚血性変化により心筋の収縮性が低下し、あるいは心臓にかかる機械的な負担が増し予備の力が低下して起こります。老人ではとくにその傾向が強くなります。
 心不全の原因疾患としては心筋梗塞のような虚血性心疾患が最も多く、次いで拡張型心筋症、高血圧性心疾患、心臓弁膜症、先天性心疾患の順になります。そのほかに貧血、甲状腺機能亢進症、呼吸器感染症なども原因になります。

◆症状と特徴◆
 労作性呼吸困難、息切れ、胸背部痛、咳、痰、胸部圧迫感、倦怠感、悪心、喘鳴、不整脈、めまい、動悸、頻脈、チアノーゼ、浮腫、尿量減少などが起こってきます。胸部X線を撮ると心臓が拡大し肺血管の陰影が強まり、肺うっ血や胸水がみられるようになります。心不全が軽症のうちは労作時のみの呼吸困難であっても、肺うっ血が出現すると起座呼吸になります。これは上半身を起こすと重力の影響により心臓に戻る静脈の量が減じ、肺うっ血が緩和され呼吸が楽になるためです。

緊急時の応急処置
 心不全は生命に直接影響する病態のため、的確な治療を行うことが重要です。急性心不全に対しては起座位(上半身を起こしてすわる)あるいは半坐位(上半身を半分起こした姿勢)の楽な姿勢にすること、そして酸素吸入が必要です。心臓に戻る血液を減らし心臓の負担を軽減する目的で手足を紐でしばる方法もあります。
 救急処置を行ったのちに、専門的な治療を急ぐ必要があるのでできるだけ早く病院に送ります。心室性頻脈には直流通電、極端な徐脈には人工ペーシング、呼吸困難には人工呼吸器や気管内挿管などの呼吸管理をします。薬剤では利尿薬、血管拡張薬、強心薬などが使われます。

 

 

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