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循環器系
狭 心 症

 

◆どのような病気か?◆
 冠状動脈に何らかの原因で一過性の血流障害が起こり、胸部の締めつけ感や痛みをきたした症候群が狭心症です。心筋梗塞とは異なり血流障害は一時的なもので、血液の流れはもとに戻り、心筋壊死には至っていない状態をいいます。
 狭心症の原因は、冠血管に狭窄があると運動時などに必要な血液を心筋に送ることができなくなり血液不足になるためです。このような場合を労作性狭心症といいます。それに対し冠血管の一時的な攣縮により循環が障害される場合は安静時に起こりやすいため安静時狭心症あるいは一部を異型狭心症といいます。
 高血圧症、冠動脈硬化症、高脂血症などが基礎疾患として重要です。

◆症状と特徴◆
 胸骨の中央部の狭窄感、圧迫感、灼熱感、疼痛が特徴です。この痛みは、左腋窩部(左乳房の下方)、左腕にも広がり、多くの場合は安静にしていると20〜30分以内に消失します。発作がそれ以上続く場合は心筋梗塞を念頭におかなければなりません。
 労作性狭心症では階段の昇降中やゴルフのプレー中、ジョギング中などの労作時にみられ、発作はとくに午前中に多いのに対し、安静時狭心症では夜間睡眠中に突然胸痛が起こることがあります。
 狭心症発作時には心電図でST低下(異型狭心症ではST上昇)の特徴的な波形を示すので、診断には心電図検査が必須です。ただしこの波形は発作が現れているときにのみみられ、狭心症の発作持続時間は20〜30分と短時間ですから診察時にこの変化を捉える確率はきわめて低いといえます。
 狭心症の可能性の低い胸痛とは、胸部に圧痛を伴うもの、きわめて限局的で深呼吸時の瞬間的な痛みなどです。

緊急時の応急処置
 狭心症の発作の多くはニトログリセリン、ニトロールなどを舌下に含むとすみやかに治まるものです。最近は錠剤になっているもの以外にスプレー式になったものもあるので、狭心症と診断されている人はいつも携行していなければなりません。もしこれらの薬を用いても胸痛が治まらなければ心筋梗塞への進展を疑う必要があり、専門医をすみやかに受診すべきです。専門病院では冠動脈撮影で狭窄状態を調べ、バイパス手術などの適応を検討します。

 

 

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