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  専門看護師・認定看護師活動推進委員会報告

公益社団法人日本看護協会が定めている資格制度に基づき、老人看護専門看護師は、複雑で解決困難な看護問題を持つ高齢者、家族及び集団に対して卓越した看護を実践し、関係者からの相談を受け、必要なケアが円滑に行われるために調整を行い、高齢者や家族の権利を守るための倫理調整、ケアを向上させるため教育的役割を果たし、さらに実践の場における研究活動を通して老年看護の質向上に寄与しています。また、認知症看護認定看護師は、認知症者とその家族および集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて、水準の高い看護実践を行い、指導相談を通して看護現場における認知症ケアの広がりと質の向上を図るために日々活発に活動しています。
一般社団法人老年看護学会はこれらの資格の誕生に関わっており、現在は専門看護師・認定看護師活動推進委員会がこれらの活動を一層活発にするために研修などを企画・運営することにより支援しています。
その一環としてCNSCN活動推進委員会では、老人看護専門看護師、認知症看護認定看護師の活動について会員・非会員を問わず広く知っていただき、理解を深めたいと考えHPに公表していくこととしました。概ね2か月に1回、報告内容を更新していく予定です。専門看護師、認定看護師の活動について理解を深めていただくとともに、看護実践の課題解決のヒントとして役立てていただければ幸いです。

Vol.13

Vol.12

Vol.11

Vol.10

Vol.9

Vol.8

Vol.7

Vol.6

Vol.5

Vol.4

Vol.3

Vol.2

Vol.1

Vol.13-1
認知症専門病院における認知症看護認定看護師としての活動
医療法人社団翠会 和光病院
認知症看護認定看護師
岡田直美

和光病院は、埼玉県和光市にある精神科単科の認知症専門病院です。5病棟285床の病床と外来を有し、認知症の診断と治療、認知症の行動・心理症状(以下、BPSD)に対する治療とケア、身体合併症の治療、認知症の終末期ケア、看取りのケアを行っています。開院以来、隔離や身体拘束を行わないという方針のもと、ケアを実践しています。私は、スタッフが認知症の疾患を理解しケアできるように院内研修の講師を担当しています。
病棟での私の役割は、ケアの質向上のために、日々スタッフと共に、このケアで良いのかと考え、これで良かったのかと悩み、その時々の最善のケアが実践できるようにサポートすることだと考えています。スタッフには、認知症の中核症状により患者がどのような生活の不自由さを抱えているのかを考えることやBPSDを問題にするのではなく、その要因をアセスメントしケアする重要性を伝え続けています。
また、認知症の進行にともなって生じる苦痛を緩和し、心地よく穏やかに過ごすことができるように日々の日常生活援助の質を見直し、改善しています。具体的には、美味しく味わうことができる食事援助、リラックスして心地良さを感じられる入浴援助、プライバシーを考慮した排泄援助、髪を整える、ひげを剃る、爪を切る、眼脂を取り除くといった整容など、「日々のケアを丁寧にすることの大切さ」をスタッフと共に日々実践しています。
外来では、認知症看護外来を担当し、介護する家族の支援を行っています。家族が抱えている悩みを傾聴し、相談に応じています。介護が切羽詰まった状況で、疲労が強い場合には、サービスの利用や短期的な入院を勧めることもあります。
和光病院には、私を含め3名の認知症看護認定看護師がおり、取得を目指す看護師も増えています。今後は、認知症看護認定看護師として、認知症を抱えている方が早期受診できるように支援すること、若年性認知症の患者と家族への支援、認知症の緩和ケアを充実させていきたいと考えています。
岡田直美(おかだなおみ)
看護師免許取得後、一般病院で呼吸器内科病棟、神経内科病棟などを経験し、2011年和光病院へ就職。
2014年に認知症看護認定看護師の認定を受ける。2017年より病棟師長として勤務している。
Vol.13-2
急性期病院に入院した高齢者の人権と尊厳を守る、よりよいチーム医療・ケアの提供をめざして
聖隷三方原病院
老人看護専門看護師
佐藤晶子

私が勤務する聖隷三方原病院は、「隣人愛」を基本理念とし「この地域にしっかりと根ざし、住民に信頼される病院づくり」を経営方針とする急性期総合病院です。ドクターヘリを有する三次救急からホスピス、医療型障害児入所施設まで幅広い医療を提供しています。私は専門認定看護室に所属し、認知症・せん妄ケアサポートチーム、倫理委員会等の活動を通じ、急性期病院の高齢者ケアの質の向上に取り組んでいます。その成果のひとつに、身体拘束の最小化の達成があります。運用や記録の整備に加え、看護副部長と専門看護師による(隔)週1回の身体拘束患者ラウンドと病棟スタッフとのカンファレンス、毎月のデータ配信等を継続し、救命救急センター・院内ICU含む病棟(精神科、医療型障害児入所施設除く)において、2020年度以降身体拘束具を使用した身体拘束率は1〜3%、10名前後/日で推移しています。カンファレンスでは患者との対話や現在の行動の観察により3要件(切迫性・一時性・非代替性)をアセスメントし、解除に向けた検討を行っています。
さらに「尊厳を守る」ケアとコミュニケーションの実践を看護部門目標に掲げ、その達成に向け、処置やケア場面での丁寧な説明と同意、羞恥心への配慮など副師長が実践モデルとなり職場内教育を推進するグループ活動を支援し共に取り組んでいます。同時に、専門認定看護師の仲間とともに、排泄、清潔、コミュニケーション、環境の4つの視点から「尊厳あるケア」の行動目標を示し2ヶ月毎にポスターを配布、看護管理者と共に評価とフィードバックを継続し、行動目標の実施率向上がみられました。
これらの高齢者の人権と尊厳を守る取り組みを基盤に、治療や療養先の選択の意思決定支援の場面では、対話を通しこれまでの生活や価値観にふれ高齢者の思い・希望を聴き取り、探っています。たとえ思いや希望がそのままの形では叶わないとしてもできるだけ近づけ、高齢者の不利益を最小限にするために、多職種と日々カンファレンスや情報共有し、目標を定め具体策を検討し、少しでもよりよい医療・ケアを提供できるよう活動しています。
佐藤晶子(さとうまさこ)
2000年聖隷三方原病院入職、一般病棟、外来勤務を経て、2015年大学院修了、同年老人看護専門看護師の認定を受ける。認定後病棟管理者を経て、2019年より専門認定看護室に所属し、チーム活動を中心に組織横断的に活動している。