認知症になったとき -老人のための家庭医学百科-
認知症は誰にでも起こりうる問題です。
 あなたが現在認知症老人を抱えているわけではないとしても、身近な人が認知症になってしまったときにどうすべきか、相談できる施設やサービスにはどのようなものがあるのかなど、前もって知っておきたいものです。

 1.認知症とわかったら、まずなにをすればよいか
 2.公的制度の利用
 3.サービスを受けられる施設とその内容
 4.医療施設の選び方
 5.スムーズな家庭介護を行うために
 6.介護保険制度の利用
3.サービスを受けられる施設とその内容
 治療よりも介護が主体となる認知症性老人は、介護保健施設でのサービスが受けられます。介護保険施設は、介護保険法に基づく施設であり、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老人保健施設)、介護療養型医療施設(療養型病床群、老人性認知症疾患病棟、介護力強化病院)があります。
(1) 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
 原則として65歳以上で、身体上または精神上著しい障害があるため常に他人の手を借りなければ生活できず、居宅において介護を受けることが困難な人が対象となります。利用する際は、施設との契約が必要となりますが、やむを得ない理由で入所が困難な人の場合は市区町村が入所を決定します。
(2) 介護老人保健施設(老人保健施設)
 入院治療を終え、病状安定期にあり、リハビリテーション、看護、介護を中心とした医療ケアを必要とする場合に入所する施設です。入所期間は原則として3か月、長くて6か月であり、介護者の休息のための短期、中期入所として、あるいは長期ケアの施設が見つかるまでの緊急避難場所として利用します。
(3) 介護療養型医療施設
 比較的長期にわたって療養を必要とする場合に入院できます。
 
 A) 療養型病床群
 病院・診療所の病床のうち、主として長期にわたる療養を必要とする患者のための一群の病床として許可を受けたものです。
 
 B) 老人性認知症疾患療養病棟
 おもに精神症状、行動異常が著しい認知症性老人を入院させる病床であり、認知症患者の長期療養にふさわしい体制がとられています。

 C) 介護力強化病院
 おもに老人慢性疾患の患者を入院させる病室をもつ病院です。
(4) 短期入所(ショートステイ)
 介護者の介護疲れや疾病、出産、冠婚葬祭、事故、旅行などにより、寝たきり高齢者などを一時的に養護する必要がある場合に、その介護者に代わって高齢者を短期間、施設で養護します。
 特別養護老人ホーム等における短期入所生活介護と、老人保健施設等における短期入所療養介護があり、2000年4月から、介護保険による給付となりました。利用期間は、短期入所生活介護、短期入所療養介護ともに、要支援・要介護状態によって7〜42日(6か月程度)となっています。
(5) 通所介護(デイサービス)
 特別養護老人ホームや老人福祉センターに併設または単独に設置されたデイサービスセンター等で、入浴・食事の提供とその介護、生活等に関する相談・助言、健康状態の確認、その他日常生活上の世話と機能訓練を行っています。
 デイサービスセンターはA〜Eの5類型あり、A型は寝たきり高齢者が一定割合以上の重介護型、C型は利用者が主に虚弱高齢者である軽介護型、B型はその中間の標準型、D・E型は1日あたりの利用者数8人以上の小規模施設であり、E型は認知症性高齢者の毎日利用も可能です。
(6) 高齢者在宅サービスセンター
 在宅の介護を必要とする老人(初老期認知症に該当する人も含まれます)に対して、施設で通院および訪問により各種のサービスを行っています。
 基本事業は、生活指導・相談・趣味生きがい活動、健康増進・健康チェック、日常動作訓練、養護、家族介護者教室、送迎などです。通所事業は、給食サービス、入浴サービス、ショートステイ、機能回復訓練など、訪問事業は、入浴サービス、給食サービス、洗濯・寝具乾燥サービスなどがあります。

認知症とわかったら、まずなにをすればよいか公的制度の利用サービスを受けられる施設とその内容
医療施設の選び方スムーズな家庭介護を行うために介護保険制度の利用


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