論文名 | 生活支援コーディネーターの活動とその課題 |
著者名 | 渡邉大輔 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年社会科学,45(4):371-378,2024 |
抄録 | 本稿の目的は,生活支援コーディネーターの活動の現状と課題について,2021年10月に実施したオンライン調査データをもとに,生活支援コーディネーターの活動の現状と課題について,特に第一層と第二層のコーディネーターの違いという観点から分析することである. その結果,生活支援コーディネーターは幅広い活動を実施していた.しかしその活動の多くは,地域資源の涵養に関わるもの,すなわち地域社会との関係にのみ重点をおいたものが多く,三師会や商工会,民間企業,NPOなど他のセクターとの協働は乏しかった.また,生活支援コーディネーターの業務に対する意識や課題認識は分散が大きく,第一層と第二層による違いも大きくはなかった.その困難の認識は多次元的なものであり,困難を感じていない人のほうが活動の評価についてばらつきが大きくなっていた.この違いは,活動の評価が個人的か組織的かについての認識の違いが寄与していた. 以上を踏まえ,今後の生活支援コーディネーターを支えていくために,第一層と第二層でやや構造が異なることを踏まえた支援体制の整備の必要性について論じた. |
キーワード | 生活支援コーディネーター,生活支援体制整備事業,地域包括ケア |
論文名 | 二層を支える生活支援コーディネーターの役割 |
著者名 | 渡辺麻希 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年社会科学,45(3):255-263,2023 |
抄録 | 生活支援体制整備事業に限らず,地域包括ケアシステムを具体化していくための理論や手法を示す研修や手引きの作成が自治体などにより行われている.しかし,生活支援コーディネーターが「それぞれの地域に合わせた取り組み」として実践に結びつけていくためには,自身で考え,とらえていく必要があり,ゴールを見いだせず,揺れ動く二層生活支援コーディネーターも少なくない. このなかで,一層生活支援コーディネーターに求められる役割とは何であろうか.本稿では,筆者が一層生活支援コーディネーターとして動くなかで重要な役割と考える「二層生活支援コーディネーターが担当地域で一定の期間,いきいきと活動し続けるための支援」について,具体的な事例を交えつつ紹介する.さらに,今後ますます求められていくと考える支援についても論じる. |
キーワード | 一層生活支援コーディネーター,横浜市,地域ケアプラザ,SC連絡会 |
論文名 | 二層生活支援コーディネーターの日常;見えない価値に形を与える |
著者名 | 鯉渕百合子 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年社会科学,45(4):386-392,2024 |
抄録 | 二層生活支援コーディネーター( 以下,二層SC)の日常をのぞいたことはあるだろうか.生活支援コーディネーター(SC)は,自分らしい生活を住み慣れた地域でできる限り暮らし続けられるよう,介護保険にとどまらない豊かな支援やサービスを選択できる環境を整えることを仕事とする.「資源開発」「ネットワーク構築」「ニーズと取り組みのマッチング」をすることが期待されているが,これらを達成するためにどのような働き方をしているのか.高齢者1人ひとりが抱くささやかな夢や希望を把握して,それをかなえるために,どのような価値を大切にしているのか.残念ながら,SC の仕事=通いの場をつくって参加してもらうこと,としか,地域包括ケアに直接関わる専門職にすら認知されていないのが現実ではないだろうか.本稿では,SC として働く筆者が,一SC として日々,通いの場に足を運ぶことでなにを思い,どう活動しているのかを伝えたうえで,現場で求める支援について述べる. |
キーワード | 生活支援コーディネーター,通いの場,地域共生社会,地域包括ケアシステム |