改訂・認知症ケアのためのケアマネジメント
一般社団法人日本認知症ケア学会/編
認知症ケア上級専門士テキスト 第2巻
体 裁
A5判 260頁
刊行日
2018年4月1日
ISBN
978-4-86351-139-2
内容紹介
- わが国は,超高齢社会を迎え,ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者が増加している.社会全体が大きく変化し,ケアマネジメントも社会の変化に対応し,進化していかなければならない.とくに,認知症高齢者の増加に伴い,介護支援専門員(ケアマネジャー)のこれまでの知識や技術だけでは,十分に対応できない事例が存在し始めている.
- 一般社団法人日本認知症ケア学会では,早くから認知症高齢者に対するケアマネジメントに関する書籍を刊行し,認知症高齢者に対する適切なケアマネジメントを提案してきた.それが本書の初版である.しかし,その後,認知症に関する研究が進み,認知症にもさまざまな種類があり,また,対応方法が異なることが明らかになってきた.そして,社会福祉学の基本的な考え方である,ストレングス・アプローチによる認知症高齢者への対応方法などに関する研究も進み,実践での活用が期待されている.このような社会状況の変化や学術的研究による新たな知識・技法の蓄積が進み,また,初版の刊行から10 年が経過したため,改訂2 版を刊行することとなった.
- 本書では,これまでの初版の内容を踏襲するとともに,認知症に対する診断や治療方法について新たな知見を加え,アセスメントにおける留意点,ケアプラン作成とモニタリングにおける留意点,地域包括ケアに関する考え方とケアマネジメントなどを加え,認知症高齢者のさまざまなニーズに対応できる充実したケアマネジメント論の内容となっている.また,事例紹介についても一新し,在宅やグループホームでの事例を紹介している.
- 本書は,ケアマネジメントに関する書籍ではあるが,認知症ケアに携わる医療・介護・福祉関係者の多くの方々に読んでいただきたい書籍である.そのため,できる限り高度な内容も分かりやく記述されている.
- 最後に,本書が認知症ケアにおけるケアマネジメントの質の向上に少しでも役立てられればと考えている.
- 〜はじめに より〜
目次
- はじめに
- 認知症ケア関連テキスト開発委員会
- 執筆者一覧
- 第1章 認知症の人のためのケアマネジメント
- T.はじめに
- U.ケアマネジメントの基本
- V.ケアマネジメントの過程
- W.ケアマネジメントにおけるアセスメントの特徴
- X.ケアプランの作成・実施の特徴
- Y.まとめ;ケアマネジメントの特徴
- 第2章 認知症の人のためのアセスメントとはなにか
- T.はじめに
- U.認知症を理解するということ
- V.アセスメントの基本的考え方
- W.認知症の人に対するアセスメントの目的
- 第3章 認知症に対する診断と治療方法
- T.はじめに
- U.認知症の診断手順
- V.認知症とまちがわれやすい状態
- W.代表的な認知症の疾患別特徴
- X.おわりに
- 第4章 認知症の人に用いられるアセスメントツール
- T.認知症の人に用いられるアセスメントツール
- U.アセスメントツールの概要
- V.認知症の人にアセスメントツールを用いるときに留意すること
- 第5章 認知症の人のアセスメントとケアプランに生かすICFの考え方
- T.認知症の人も生涯発達しながら自己実現を目指す
- U.国際生活機能分類ICF の視点とはなにか
- 第6章 アセスメントにおける留意点
- T.ケアマネジメントにおけるアセスメントとチームアプローチとしてのアセスメント
- U.アセスメントの視点と留意点
- V.認知症ケアにおけるアセスメントの留意点
- 第7章 アセスメントからケアプラン作成へ
- T.はじめに
- U.共通の視点と解釈
- V.課題の抽出
- W.ケアカンファレンス
- X.ケアプラン作成の実際
- 第8章 ケアプラン作成とモニタリングにおける留意点
- T.はじめに
- U.ケアプラン作成における留意点
- V.モニタリングにおける留意点
- 第9章 地域包括ケアに関する考え方とケアマネジメント
- T.はじめに
- U.地域包括ケアシステム
- V.地域包括ケアにおけるケアマネジメント
- W.おわりに
- 第10章 認知症ケアの事例
- 第10-1章 在宅における事例
- T.はじめに
- U.人権的配慮
- V.事例紹介
- W.ケアプランの作成
- X.アセスメントとの概要
- Y.課題抽出
- Z.経 過
- [.評 価
- 第10-2章 事業所における事例
- T.事例紹介
- U.グループホーム入居時(インテーク)本人・家族のニーズ
- V.インテークに始まるグループホーム入居契約が終えるまで
- W.A 氏が生活する場(プレイス)について
- X.入居〜現在に至るまでのケア
- Y.ケアの実際(A 氏の言葉・行動によるコミュニケーションの相互共同理解)
- Z.本事例の評価(エバリュエーション)
関連書籍
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認知症ケアにおける倫理
介護関係者のためのチームアプローチ