わかりやすい倫理
-日常ケアに潜む倫理的ジレンマを解決するために-
箕岡真子・稲葉一人/著
体 裁
B5 判 120頁
刊行日
2011年12月20日
ISBN
9784863510449
内容紹介
- 日常ケアに潜む倫理的問題に気づき、そのジレンマを解決するひとつの方法に"倫理コンサルテーション"というものがあります。医療・介護現場において生じたさまざまな倫理的問題について、関係者間で意見の不一致等により"争い"が解決できない場合があります。
- そこで,中立的第三者である倫理専門家による助言を受けることなどが必要となるのです。これを倫理コンサルテーションといい、日本では始まったばかりですが、アメリカ・ヨーロッパ等では、医療施設だけでなく、介護施設においてもすでに実施されています。本書は、医師・看護師・ケアマネ・介護福祉士等が倫理を理解するための協学の一冊といえます。
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目次
- ■基礎編
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- 倫理的なジレンマに気づいたとき:倫理的な気づきと倫理的ジレンマ
- 倫理的な問題は,どのように解決すればよいのですか:倫理コンサルテーションとは
- うそをつくこと・ごまかすことは仕方がないのですか:義務論と功利主義
- 尊厳に反する行為とは何ですか:パーソン・センタード・ケア
- 自分で決める権利とはどのようなものですか:自己決定
- 意思能力はどのように評価するのですか:医療に関する意思能力と法的能力
- よりよい倫理的判断とは何ですか:倫理4原則
- 「自由に動き回る権利」と「骨折の予防」のどちらが重要ですか:倫理原則の対立
- 認知症の人は自分の病状や治療方法を「知ること」と「選択すること」はできないのですか:インフォームドコンセントの重要性
- 転んで骨折した責任はだれにあるのですか:施設内での転倒事故(リスクマネジメント)
- 虐待を受けているのではないかと思うのですが:高齢者虐待と守秘義務の解除(通報義務)
- 撮った写真は公表してもよいのですか:個人情報の保護
- 告知はしないほうがよいのですか:認知症の人への告知
- 適切な看取りとはどのようなものですか:終末期の医学的判断
- ご本人が望んだ平穏な終末期を尊重してあげたいのですが:事前指示書「私の四つのお願い」
- 本人の意向がわからないときはどうすれぱよいのですか:代理判断(代行判断と最善の利益判断)
- 家族の意見がまとまらないときはどうすればよいのですか:代理判断者
- 必要な医療は受けられますか:成年後見制度と医療に関する代理判断
- 「自分の意思によって延命治療をしないこと」と「安楽死」とはどのように違うのですか:認知症終末期の緩和ケア
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- ■応用編
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- I . 倫理的論点の分析:うそをつくこと・だますことは仕方のないことですか
- II. 告知についての倫理コンサルテーションのケース
- III. 終末期の延命治療に関する倫理コンサルテーションのケース
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関連書籍
- 蘇生不要指示のゆくえ 私の四つのお願い
- 認知症ケアの倫理
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