認知症ケアの倫理
箕岡真子/著
あなたが考える「倫理」があなたの「生き方」そのものなのです。
倫理とは人として生きるための「道しるべ」です。
体 裁
A5判 172頁
刊行日
2010年10月25日
ISBN
9784863510296
内容紹介
- 徘徊する認知症の人に抑制帯をつけて,イスに縛りつけておく…
- 夜間に動き回って困るからと睡眠薬で強制的に眠らせる…
- 食事や内服を拒否する人に生きるためと無理やり食べさせる…
- 危ないからと日常生活の手段である車の運転を制限する…etc.
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- 認知症の人たちを『ひとりの生活者』として尊重し,共に生きていくために私たちは何を考えなければならないのか…???
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目次
- 第1章 『認知症ケアの倫理』とは
- 1.認知症を生きるということ
- 2.『認知症ケアの倫理』が目指すもの
- 第2章 生命倫理(バイオエシックス)の基礎知識
- 1.倫理的ジレンマと倫理的気づき
- 2.倫理的ジレンマへのアプローチ方法
- 3.倫理的ジレンマへの解決策
- 4.医学的事実と倫理的価値判断
- 5.倫理4原則
- 6.倫理4原則の対立
- 7.徳倫理:行為者の性格のよさ
- 8.介護専門職と利用者(患者)との関係
- 第3章 告知
- 1.「告知」に関する倫理的基礎知識
- 2.『告知』することの意義
- 3.告知の方法
- 4.告知後の対応
- 第4章 家族介護者の役割
- 1.家族介護者の役割
- 2.家族介護者の限界
- 3.家族介護者を支援するために
- 第5章 認知症の人のQOL
- 1.QOLの概念
- 2.認知症の人のQOL
- 3.QOLの主観的側面
- 4.QOLの評価
- 5.QOLの変化
- 6.QOLs(quality of lives)
- 7.QWL(quality of working life)"生き生きとして労働する"
- 8.認知症終末期のQOL
- 第6章 尊厳とパーソン
- 1.人間の尊厳
- 2.人格とパーソン
- 3.尊厳を守るケアを求めて
- 第7章 パーソン・センタ−ド・ケア
- 1.パーソン・センタ−ド・ケアとは
- 2.ケアの良し悪しは”関係性”にある
- 3.認知症ケアマッピング(DCM)
- 4.共有された自己決定(自己決定の支援):ケーススタディ
- 第8章 終末期ケアについての意思決定
- 1.”看取り”という言葉が指し示す意味
- 2.倫理的論点のリスト
- 3.延命治療と救命治療・緩和(ホスピス)ケア
- 4.代理判断
- 5.倫理的に区別が難しい行為
- 6.判例
- 7.手続き的公正性
- 8.事前指示
- 第9章 自殺企図・自殺幇助と安楽死
- 1.『患者の意思で延命治療を受けないこと』と『安楽死』『自殺幇助』の違い
- 2.自殺幇助
- 3.自殺企図
- 第10章 行動コントロールの倫理
- 1.身体拘束による行動コントロール
- 2.薬物による行動コントロール
- 3.日常生活の制限:運転免許の返上・料理の制限など
- 4.行動コントロールを減らすために
- 5.強制入院
- 第11章 高齢者虐待と守秘義務の解除(通報義務)
- 1.守秘義務
- 2.個人情報保護法
- 3.高齢者虐待と守秘義務の解除(通報義務)
- 4.まとめ
関連書籍
- わかりやすい倫理
- 私の四つのお願い