◆どのような病気か?◆
女性に多く発病し、関節だけでなく肺や心臓、血管などの病気も併発する全身性の疾患で、免疫の異常により起こると考えられていますが、原因不明の進行する慢性の炎症性疾患です。
痛みを伴いながら、関節に変形・破壊が起こり身体に障害をきたす疾患で、関節のみならず他の臓器にも障害を伴うことがあります。
◆症状と特徴◆
朝起床時、あるいは長時間同じ姿勢をとり続けた後などに関節のこわばりがみられます。労作後に痛みが増して、休むといくらか軽くなる他の関節の病気とちがい、長時間の安静後に悪いという点が特色です。
朝、手や指がはばったい感じがするとか、ぎこちない状態に感じます。こうした「朝のこわばり」はリウマチだけではありませんが、最も著明で持続時間も長いようです。また、レイノー症状といいますが、手を冷たい水につけたり冷蔵庫の中に入れたときなどに、指がジンジンうずき真っ白になることがあります。
手指の関節や肩・膝の関節痛、あるいは四肢の痛みやこわばりで始まり、続いて運動時の痛み、圧痛、熱感や腫れなどに気づきます。また、朝の手指のこわばり感のみならず、全身倦怠感・食欲不振・体重減少・微熱などの症状も現れてきます。
痛みは手の指や足の指のような小さな関節から始まり、肩・肘・膝・足の大きな関節が関節炎を起こし圧痛・運動痛・腫脹・熱感を認めさらに進行すると、軟骨や骨が破壊され変形をきたします。関節の症状とともに全身症状として、だるいとか疲れやすいなどの自覚症状が現れ、貧血を起こすこともあります。
肘などに皮下結節という小さな固まりを認めることもありますが、移動性がなく痛みもない固いこぶとして感じます。また、手のひらが赤くなっていたり(手掌紅斑)、皮下出血、皮内出血のため紫紅色を呈する紫斑なども出やすくなります。そして骨粗鬆症、骨のびらん、変形、亜脱臼、拘縮などを起こし、機能障害を呈するようになります。
関節のはれはいろいろな所に左右対称に現れますが、手指や足の指では対応する関節がないこともあります。またそれらの関節は著しく変形するようになります。関節の近くの筋肉の萎縮、筋力の低下もみられ、ことに朝の握力の低下が著しくなります。
◆どこを注意すればよいか◆
発症は、徐々に関節炎が拡大していくものや全身症状を伴い短い期間に多くの関節炎を呈するなどさまざまです。
原因がいまだ不明のため、現在のところ根治療法はありませんが、炎症を抑え苦痛を軽くすること、また進行を抑え機能障害を防ぎ改善することが目標になります。
この病気は大多数が治療により一進一退を繰り返します。したがって苦痛を軽減し、進行悪化を防ぐことが重要です。これには、理学療法(温熱療法、運動療法)や、食事の注意、精神療法などが必要です。また関節機能の保持、回復に努めるようにします。そのためにも十分な安静が必要です。またできる範囲での運動を行い、過労・ストレス・感染などに注意をしなければなりません。
長い経過をたどりさまざまな症状を呈するため病気に対する十分な理解が必要でしょう。また、安静にするといっても関節を動かさずにいると、関節はますます動かなくなり、筋肉も萎縮してしまいます。むしろ軽症であれば日常生活活動、運動などを積極的に行うようにしましょう。中等度の症状の場合は、温熱療法や運動療法、食事療法を行います。重症の時期では、体力保持のためにも食事に十分な注意が必要です。高エネルギー・高タンパク・高ビタミンの食事で、栄養のバランスのよい食生活を心がけましょう。いずれの場合も、薬物療法など専門の医師の管理を受ける必要があります。
日常生活においては、体を冷やさないように注意することも大切です。冬の保温はもちろん、夏でも冷房には気をつけ、手足をむき出しにしないようにしましょう。また、寝具では固めの敷き布団を使うようにします。
経過は長く、慢性に進行する疾患で、機能障害が大きな問題となるわけですから、家族を含めて十分病気を理解し精神の安定をはかりあせらずに治療を続けなければなりません。 |
|