◆どのような病気か?◆
脊椎の老化現象の一種で、体を支えている脊椎の変形により、さまざまな症状を現す病気です。すなわち加齢とともに起こる脊椎や椎間板の老人性ないし退行性の変化を基盤とする疾患です。
椎間板の変形膨隆や椎体後縁の骨棘形成、また脊柱管狭窄のため、脊髄が圧迫され、直接的な物理的圧迫、また血行、循環障害により神経根障害とか脊髄障害とよばれる症状を呈する病態です。
◆症状と特徴◆
男性に多いとされます。頚椎の変形では、頚肩腕部の痛み、知覚異常が出現します。これは手のしびれ感・異常感覚として訴えられます。運動障害としてもたとえばボタンがかけにくい、紐が結びにくい、箸やスプーンの使い方がぎこちないなど日常生活の動作で不都合を訴えることがあります。循環障害のため首の運動の際に、一過性のめまいや物が二重に見えるといった複視、さらには意識障害、気を失うようなこともあります。
胸・腰椎の変形では、徐々に背中や腰の痛み、鈍痛が出現し、また足のしびれ感や、時には強い神経痛症状を訴えるようになります。運動時の痛みをおぼえることもあり、脊椎は全体として著明な運動制限、体をまえに曲げたり横にねじったりすることが不自由になります。
症状としては少ないですが、排尿困難すなわち残尿感、頻尿といった何回もトイレに行きたくなったり、尿の出に勢いがない、あるいは排尿時間の延長、開始遅延などが認められることもあります。
◆どこを注意すればよいか◆
急性期には、脊椎の安静固定が必要です。頚部の過度の曲げ伸ばしは症状を悪化させるため避けなければなりません。また、指圧も余分な刺激を与えるためすすめられません。
症状がほとんどとれたら、頚部あるいは腰部の筋肉増強のため運動訓練もよいでしょう。変形性脊椎症では腹筋の強化と、背骨のゆがみを直す腰痛体操が効果的です。固定するものとして、首のカラーや腰のコルセットの着用も効果があります。マッサージや温熱療法、牽引療法も行われます。 |
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