◆どのような病気か?◆
一次性のものは原因不明で、加齢に伴う老人性変化や体質などの素因に機械的因子が加わり起こります。二次性のものは、外傷や炎症などの変化に引き続いて起こることがあります。一次性では、中年以後の男性で激しい労働に従事する者や、肥満型の女性などに多いようです。
◆症状と特徴◆
関節の動きが徐々に制限され、痛みは安静後に動かすときに、たとえば朝の起床時や、長い時間座っていて立ち上がるときなどに強く痛みます。続いて少しよくなり、また長い時間動かしていると痛みが増強します。
関節のところが隆起したり、圧痛を感じたり動かしたときの異常な音などに気づくこともあります。また水(余分な関節液)がたまることもあります。関節痛のみならず、関節の周りの軟部組織の痛みを感じることもあります。関節の変化は多くは可逆的で、軽症で病状が治まると、よくなることもあります。しかし進行して痛み、関節の破壊・変形さらに拘縮・強直といった固まった状態になると関節の動く範囲がせばめられ、また筋力の低下などが認められることがあります。
変形性膝関節症は、日常多くみられる関節症で、膝の痛み、とくに動かし始めるときの痛みが主です。膝がはれたり、動かしにくくなってきます。
関節軟骨、靭帯、筋肉、血管が老化により、すりへったり弾力性を失ったりしてもろくなったところに、無理な力が加わったために、膝への負担が大きくなり、炎症を起こし痛みが起こるわけです。
変形性股関節症は、歩行、起立時に足に疲労感を感じ、しだいに痛みをおぼえます。はじめは安静後の運動開始時に痛みを感じますが、痛みは徐々に強まり太もも、膝、足にまで広がります。歩行が徐々に困難となり、また股関節内に雑音を聞くこともあります。
◆どこを注意すればよいか◆
関節への負担をできるだけ軽くするように心がけることが大切です。肥満者は体重の減少に心がけるようにします。また、激しい労働や長距離の歩行、長時間の正座などを避けるようにしましょう。重い荷物を持ったり、子どもを抱いたりしないように、また買い物などでの荷物には手押し車などを使うようにします。できれば階段の上り下りなども減らすようにしたほうがよいでしょう。
激しいスポーツは避けたほうがよいのですが、水泳、自転車などは長時間でなければかまいません。歩くときに杖を使うことは関節に加わる負担を減らすうえで効果があります。マッサージや温熱療法は血行を改善し痛みの軽減に役立ちます。 |
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