第38回日本老年精神医学会 第38回日本老年精神医学会



大会長挨拶

布村 明彦 プロフィール写真

第38回日本老年精神医学会
大会長 布村 明彦

 このたび第38回日本老年精神医学会の大会長を拝命いたしました東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科の布村です。伝統ある本学会の学術集会を担当させていただくことになり、大変光栄に存じます。2023年の本大会では、理事会承認のもと会期を春季と秋季の2回に分けて開催する新しい試みを導入いたしました。

  春季大会は、2023年6月16日(金)~18日(日)、パシフィコ横浜ノースにおいて日本老年学会を構成する7学会(加盟年順に日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本基礎老化学会、日本老年歯科医学会、日本老年精神医学会、日本ケアマネジメント学会、日本老年看護学会)が合同開催する第33回日本老年学会総会に合わせて開催されます。この会期に先立つ6月12日(月)~15日(木)には第12回IAGGアジア/オセアニア国際老年学会議が同会場で開催され、国際的・学際的“Gerontology Week”を堪能いただける素晴らしい機会が準備されています。春季大会における7学会との合同シンポジウムでは、本学会が主催するシンポジウム「高齢者のうつ病と認知症」のほか、「高齢者の就労:ケアを受けながら働くハイブリッドワーク」「高齢ドライバーの自動車事故リスクの把握」「コロナ禍における認知症診療の課題」「避難所における認知症支援」「認知症高齢者のエンドオブライフと意思決定支援」「認知症の人の在宅診療における課題」「基幹病院におけるせん妄ケアチームの活動」および「人生100年時代の認知症と心の健康問題」など本学会会員による興味深い講演が予定されています。

  秋季大会は、2023年10月13日(金)~14日(土)、日本教育会館(東京都千代田区)において通常大会の構成で開催され、一般演題・シンポジウムはもちろんのこと、特別講演、教育講演、ならびに共催セミナーなど多数企画いたします。プログラム委員会を開催して鋭意準備を進めてまいりますが、皆さま方からもぜひユニークなご提案をいただければ幸いです。一般演題の募集期間は2月14日~4月13日を予定しています。

  春季・秋季大会に共通の大会テーマとして「百寿社会を生きる脳とこころのレジリエンス」を掲げました。老年期の心理・社会的要因のみならず、脳病理をはじめとする生物学的要因に対しても脳とこころがレジリエンスを発揮し得ることが近年の研究から明らかにされています。基礎から臨床実践まで幅広い研究に通底するレジリエンス概念を核として、老年精神医学に関わる多職種が連帯を深め、明日の臨床・介護福祉現場の活力向上につなげていただきたいというメッセージを込めました。副大会長は平川淳一先生(平川病院院長、東京精神科病院協会会長、日本精神科病院協会副会長)ならびに忽滑谷和孝先生(東京慈恵会医科大学附属柏病院精神神経科教授)にお引き受けいただきました。また、事務局長は教室の矢野勝治が務めますので、ご提案・ご要望・ご質問がございましたらお知らせください。

  コロナ禍の行方はいまだ定かではありませんが、適切な感染対策を施したうえで現地での対面を基本として開催する予定です。多くの皆様にご参集いただき、熱い議論の場となると同時に温かい交流の場となることを期待しております。是非とも春の横浜会場、そして秋の東京会場へとお越しくださいますようお願い申し上げます。

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