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くすりに頼らない認知症治療I ―非薬物療法のすべて―

深津 亮・斎藤 正彦/編著

くすりでしか認知症は治療できないのか?

くすりを使わないとするならば、何をすればよいのか !!

回想法なのか,それともリアリティ・オリエンテーション,絵画,音楽,運動,アロマなのか…

本書にはそれらの理論と治療意義,そして確かな実施方法・技法が記されています。


体 裁
A5判 184頁
刊行日
2009年11月1日
ISBN
978-4-86351-019-7 C3047
内容紹介
脳卒中を経験した脳科学者,ジル・ボルト・テイラーは,その著書『奇跡の脳』の中で, 「『脳卒中のあと,6か月以内にもとに戻らなかったら,永遠に回復しないでしょう』耳にたこが出来るほど,お医者さんがこう口にするのを聞いてきました. でも,どうか私を信じてください,これは本当ではありません」「脳卒中で一命をとりとめた方の多くが,自分はもう回復できないと嘆いています. でも本当は,彼らが成し遂げている小さな成功に,だれも注意をはらわないから回復できないと思い込んでいるだけなのだと, 私は常日頃考えています」と記述している.この著書は,多くの脳卒中患者や家族に大きな希望と勇気を与えている. 認知症においても同じことがいえるのではあるまいか.認知症の治療,とくに非薬物療法についても治療的ニヒリズムを克服する勇気が必要であると思われる.(著者「はじめに」より抜粋)
目次
はじめに  認知症への非薬物療法 ーそれでも非薬物療法は必要である
執筆者一覧
第1章 認知症治療からみた非薬物療法
1 認知症に対する非薬物療法ーなぜ必要なのか
 はじめに
 I.認知症治療論と非薬物療法
  1.なぜ非薬物療法なのか;その必要性
  2.アメリカ精神医学会の認知症治療ガイドライン
  3.カナダの認知症の診断と治療ガイドライン
  4.イギリスの認知症診療ガイドライン
  5.わが国における認知症治療ガイドライン
 II.認知症の非薬物療法の原理と可能性
 結語
2 認知症における非薬物療法研究の課題と展望
 I.非薬物療法とは
 II.非薬物療法研究の現状
 III.非薬物療法研究の課題
 IV.今後の研究のために

第2章 精神療法
1 精神療法
 はじめに
 I.一般的な精神療法の概念と目的
 II.高齢者・認知症患者の心理
 III.認知症患者に対する精神療法
 IV.アメリカ精神医学会治療ガイドラインによる特別な精神療法
 V.認知症の神経精神学的症状に対する精神療法的アプローチの検討
 VI.認知症に対する狭義の精神療法の適応
 VII.支持的精神療法
 VIII.HausmanとBonderによる検討
まとめ
2 認知行動療法―総論
 はじめに
 I.認知行動療法の治療とコンセプト
  1.認知・行動の学習の機序
  2.学習機序と認知症
  3.認知行動療法の関連療法
  4.認知行動療法の概要
 II.認知行動療法の目標と研究法
  1.認知行動療法の治療のとらえ方
  2.認知行動療法の対象者
  3.認知行動療法の治療介入過程
  4.認知行動療法の研究法
 III.認知行動療法の代表的技法
 IV.認知症への適用の注意点とポイント
  1.達成動因の養成
  2.賞と罰の特性の理解
  3.学習方法の工夫
  4.強化要因の効果的な利用
  5.行動の喚起と獲得の促進
  6.プログラム学習の原理の利用
  7.認知症の諸機能の低下の補償と学習の促進
 おわりに
3 認知行動療法ー問題別治療介入技法
 はじめに
 I.認知行動療法の治療介入技法
  1.形成と除去の技法
  2.監視と制御の技法
  3.学習の促進・効率化の技法
 II.問題行動の喚起要因
  1.身体的要因
  2.情動的・心理的要因
  3.対人的要因
  4.環境要因
 III.負の心理反応・感情状態への治療介入
  1.負の心理的な力動と悪循環
  2.易疲労性と不適応症状
  3.困惑・不安
  4.フラストレーション
  5.無力・抑うつ
  6.思考・態度・行動の偏り
 IV.日常・社会的行動障害への治療介入
  1.受動性・消極性・無関心
  2.失禁
  3.睡眠障害(不眠)
  4.徘徊
  5.興奮
  6.攻撃
  7.猜疑・偏執・妄想
  8.性的行動の亢進
 おわりに
4 心理教育(サイコエデュケーション)
 はじめに
 I.認知症高齢者の心理社会的病理
 II.認知症高齢者と家族介護者等への心理教育の実際
  1.個人療法としての心理教育(認知症外来)
  2.集団療法としての心理教育(デイケア)
 おわりに
5 家族療法・家族教育
 はじめに
 I.家族療法(family therapy)
  1.家族療法とは
  2.家族療法各派と代表的な療法家
  3.認知症の介護者に用いられる広義の家族療法
 II.家族(心理) 教育(family psycho-education)
  1.介護方法の指導
  2.病期別の心理教育
  3.家族会の役割(1) :心理教育の一手段として
  4.家族会の役割(2) :家族の心理を知り,さらに専門化するための一手段として

第3章 認知リハビリテーション
1 認知リハビリテーションー総論
 はじめに
 I.認知リハビリテーションプログラム
  1.認知リハビリテーションの目的;神経系の回復機構
  2.認知リハビリテーションの段階
  3.個別機能回復訓練の重要性
  4.認知リハビリテーションの一般的なデザイン
 II.認知リハビリテーションの重要性;注意障害の訓練を例に挙げて
 III.認知症に対する認知リハビリテーション
 おわりに
2 認知リハビリテーションー記憶延長法
 はじめに
 I.記憶延長法(間隔伸張法+構成・巧緻運動訓練) のコンセプト
 II.対象と重症度
 III.対象人数・所要時間
 IV.施設および器具
  1.顔写真(キャビネ版以上の大きさとする)
  2.構成・巧緻運動用具
  3.ストップウォッチ
  4.記録用紙
 V.代表的なプログラム例
  1.導入
  2.顔写真の選択
  3.顔写真刺激提示
  4.巧緻運動・構成課題の実施
  5.まとめ
 VI.効果の評価
 VII.今後の課題
3 現実見当識訓練/リアリティ・オリエンテーショントレーニング
 はじめに
 I.認知症へのリハビリテーション(非薬物療法) の有効性をめぐって
 II.現実見当識訓練/リアリティ・オリエンテーショントレーニング
  1.技法の意味合い
  2.ROの実際
  3.ROと誤り排除学習
  4.誤り排除学習における誤りの排除
 5.ROの効果
 III.まとめにかえて
4 記憶訓練法
 はじめに
 I.総論
  1.記憶訓練法とは
  2.メモトレの基本コンセプト
  3.アセスメントと個別プログラムの作成
  4.基本的枠組み
  5.治療効果のエビデンス
 II.各論
  1.誤りなし学習法
  2. 認知刺激療法
 おわりに
5 回想法
 はじめに
 I.回想法の対象
 II.対象者数・回数・時間
 III.事前準備と会場設営
 IV.プログラムの流れ
 V.テーマの設定と刺激物
 VI.実施上の注意点・ポイント
  1.敬意をもって接する
  2.高齢者も年代に幅がある
  3.ネガティブな感情・沈黙も大切にする
  4.構造を一定に保つ
  5.非言語的な部分にも目を配る
 VII.記録と評価
6 バリデーション
 はじめに
 I.バリデーションの原則
 II.4つの解決のステージ
  1.第1段階「認知の混乱」
  2.第2段階「日時・季節の混乱」
  3.第3段階「繰り返し動作」
  4.第4段階「植物状態」
 III.バリデーションにおけるシンボル
 IV.バリデーションテクニック
  1.センタリング
  2.事実に基づいた言葉を使う
  3.リフレージング
  4.極端な表現を使う
  5.アイコンタクト
  6.あいまいな表現を使う
  7.反対のことを想像する
  8.思い出話をする
  9.はっきりした,低い調子の声を使う
  10.ミラーリング
  11.満たされていない欲求と行動を結びつける
  12.好きな感覚を用いる
  13.タッチング
  14.音楽を使う
  15.キャリブレーション
 V.バリデーションの実際
  1.実践例
  2.実践例1までのかかわり
  3.実践後のAさんの様子(実践例 1 )
  4.高齢者の行動とニーズ
 おわりに

索  引
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