Q&A 痴呆介護の100か条
094〜095
お金が絡むと、気持ちも絡まる
094.
お金が絡むときは、前もって処理をしておく
痴呆症のお年寄りの場合、日々の経費の管理、資産の管理、相続の問題など、お金の絡む問題がしばしば生じます。ご本人の能力が保たれている間に、考えを確認できていれば、できる限りそれに沿って解決していけばよいのですが、能力に障害が生じた後で、本人名義の不動産を売買をする、遺言状を作る、養子縁組をするなどというときは、ご本人の能力について、専門家の評価を得、法律的な手続きを明確にしておきましょう。こうした問題に関する訴訟は増え続けています。
095.
後見制度も利用しよう
平成十二年の四月から成年後見に関する民法の規定が改訂されます。財産管理などについて、現在の禁治産、準禁治産の二段階から、全く自己決定の能力がない人のための後見制度、少しは能力がある人のための補佐制度、障害が軽度の人のための補助制度の三段階になり、本人の意思をより重視し、利用しやすい制度に変わります。このほか、能力のあるうちに弁護士や特定の個人に、痴呆症が進行した後の自分の財産の管理や終末期医療に関する意思の実現を委ねる任意後見制度も確立されます。
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