Q&A 痴呆介護の100か条
075〜077
福祉施設(特別養護老人ホームの利用)
075.
特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームというのは、心身の障害のために介護を必要とするお年寄りを入居させる施設です。もともとは、身体的に虚弱なお年寄りが中心でしたが、現在では、痴呆症のお年寄りの施設介護の中心的役割を担っています。痴呆介護棟を別扱いにして、痴呆症だけを介護するセクションをもっている施設、身体の虚弱な人も、痴呆症の人もいっしょに介護している混合型施設などがあります。病院ではないため、医療的なケアが必要なお年寄りの入居は難しいこともあります。入居希望者が多く、数年待ちという所も珍しくありません。
076.
特別養護老人ホームは数年待たされる
特別養護老人ホームは、平成11年度で、全国におよそ29万床が整備されていますが、必要とされる数には遠く及びません。東京都のような人口の密集地帯では、3年程度の待機は珍しくありません。介護保険によって住民の選択ができるようになると、評判のよい施設はますます混雑して、待機が長くなる可能性もあります。待機期間は、地域により、施設によって違います。ご自分の地域での実情を調べておきましょう。急場にあわてなくてすむように、早め早めに手を打って、いざというときに備えましょう。
077.
介護保険が、特別養護老人ホームを変える
従来の特別養護老人ホームは、税金から一律の介護料を受けて運営されてきたうえに、住民の側に選択権がなく、しかも、入居するのに何年も待たされるほど数が不足していたことから、入居後のサービスについて苦情を言いにくい構造になっていました。そのために、施設間の競争がなく、サービスの内容や質もさまざまでした。介護保険によって、住民の側が特別養護老人ホームを選択する権利をもつようになるために今後はサービスについて注文を出しやすくなるだろうと思います。
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