医師に何と説明するのか

 

 初診時には、高齢者(患者)のもの忘れが、治るボケによるものなのか、痴呆によるものなのか、また、痴呆であるとすればどの程度の症状なのかを診断します。そのために、まず患者の状態を家族から詳しく聞くことから診察が始まります。これを問診といいます。そこでは、現在、家庭で問題となっている症状、その症状がいつごろから、どのようなきっかけで始まったのか、過去にかかった病気や現在治療中の病気があるのかなどを聞きます。また、本人の生活史、たとえば出生地や最後に卒業した学校、家族のこと、あるいは本人の過去の大きな出来事、なども患者の遠隔記憶を確認するときに参考にします。さらに、朝食の内容や病院までの交通機関、最寄りの駅などを聞く場合もあります。これらも後で本人の記憶力を確認するうえで必要になります。
 このように、医師は、患者に関するさまざまなことを家族に尋ねます。家族の方はこれらのことをあらかじめメモをしておくと要領よく答えることができるでしょう。また、そうすることで医師の診察もスムーズかつ的確に進みます。

 

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