(1)以前と人が変わる |
毎日の生活のなかでは、高齢者の変化に気づくことは難しいのですが、1年前、2年前と比較して、最近何となく変わった、と感じることがあります。「表情に活気がない」「なにかに困っている、心配しているようだ」「笑顔がすくなくなった」「その人らしくないことをいったり行動を取ったりする」など。さほど大きな問題が持ち上がっているわけでもないのに、以前の明るさや、親しみやすさが失われ、気楽に話しかけられる雰囲気ではなくなっていることが多くなります。そしてときに意味もないのに怒ったり、平気で人を傷つける言葉を投げかけたりします。 |
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(2)物事に興味がなくなる |
家事などをやりかけてそのままにする、趣味の絵画や裁縫が下手になった、お茶・お華などの習い事に行かない、盆栽や植木の手入れなどをしなくなったなど、いままで趣味として楽しんでいたことに興味を示さなくなったり、それをすることに億劫がったりします。さらに、新聞を読むこと、TVの番組、プロ野球の結果、世の中の出来事、読書などの日常生活で毎日習慣として行っていたことに興味を失います。 |
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(3)人を避けるようになる |
いままで親しかった友人がどこかへ行こうと誘っても、無下に断ったり、友人との世間話を避けることが多くなります。また、同居している家族や別居している子どもたちへの関心が薄くなり、孫が遊びにきてもいままでのようなうれしそうな顔をみせなくなります。そして、何となくいつも人を避けるような仕草が多くなります。 |
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(4)話の内容が乏しくなる |
話しかけても、うなずくだけのことが多くなり、自分から積極的に話題を提供したり、相手の質問にまともな答えを返さなくなります。そのために、話をしていても、家族や相手にとっては、何となく物足りなさを感じます。ときに、真剣に相手の話を聞いていないことがあり、上の空、といった印象を与えます。 |
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(5)「あれ」「それ」が会話に多くなる |
話しの内容に注意していると、具体的な物の名前がいえず、会話のなかに「あれ」「それ」といった代名詞が非常に多くなり、ごく親しい人の名前も思い出せないことが増えます。 |
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(6)失敗が多くなる |
会社や家庭でも、些細なことでの失敗が多くなります。会社では、ノルマが果たせなかったり、いままでの精細さがなくなります。家庭では、食事の支度で塩と砂糖を間違えたり、家事での失敗が多くなります。1〜2度の失敗ならば愛嬌ですまされますが、それが頻回になると要注意です。 |
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(7)言い訳が多くなる |
自分の失敗やできなかったことに言い訳をすることは、ごく一般的なことですが、その言い訳が的外れであったり、明らかな嘘であったり、言い訳にならない言い訳をします。ときに、自分の失敗を人のせいにしたりもします。 |
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(8)何度も同じことをする |
あまり重要でないことでも、真剣に何度も同じことを繰り返し行うことがあります。新聞の同じ記事を何度も読んだり、同じ内容の話を何度もしたり、同じ場所を行ったり来たりします。また、家庭内でも確認の行為が多くなります。 |
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(9)外出を嫌う |
1人で電車に乗って出かけることを嫌うようになります。特に初めての場所や慣れていないところへ行くことを嫌いますが、普段行き慣れたところであっても行きたがりません。また、デパートでウィンドウショッピングを楽しんだり、名所旧跡を訪ねたり、外出を楽しむことをしなくなります。 |
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(10)だらしなくなる |
外出時の化粧や、季節や状況に合った外出着を選んだりすることが以前よりも下手になります。普段でも、何となくだらしなくみえたり、同じ洋服を何日も平気で着たり、おかしな組合せをしたり、自分自身のことにかまわなくなります。無精ひげや、髭のそり残しを平気でそのままにしたり、髪の毛がぼさぼさでも家族に指摘されるまで気にしなくなります。歯を磨かない、風呂に入らない、汚れた下着、上着でも平気で着ている、また部屋のなかが煩雑であっても掃除をしないなど、以前よりもだらしなくなります。 |