2014 Vol.25 増刊号1
 
 
第25巻 増刊号1(通巻312号)
2014年3月20日 発行
 
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老年精神医学雑誌電子版
 
認知症医療の新展開 : アルツハイマー病研究会 記録
序文 ──
アルツハイマー病研究会 第14 回学術シンポジウム
清水哲郎
プレナリーセッション1
アルツハイマー病診療のスキルアップを考える ── この症例をどう診るか2013
亀山美 ほか
プレナリーセッション2
認知症施策の新展開
宮島俊彦 
トラックセッション1「症候学 ── 認知症の言語症状」
認知症の言語症状の診方と代表的徴候
繁信和恵
進行性失語の症状と対応 ─PNFA とSD を中心に
池田 学
アルツハイマー型認知症の言語症状
松田 実
行動神経学からみた言語症状
森 悦朗
トラックセッション2「診断学 ── タウ関連を中心に,最新知識の提供」
異常リン酸化タウタンパク蓄積による神経病理
齊藤祐子
CSF タウの臨床的有用性
谷口美也子・浦上克哉
タウイメージングの開発
樋口真人ほか
抗タウ治療薬の現在と未来
吉池裕二
トラックセッション3「治療学 ── 薬物療法」
認知症疫学の現状
池嶋千秋・朝田 隆
疫学調査から考える今後の認知症治療と予防
山田正仁
BPSD薬物治療の新たな展開に向けて
角 徳文
トラックセッション4「認知症の身体合併症へのアプローチ」
摂食障害
梅垣宏行
睡眠障害
三島和夫
認知症と転倒・骨折
羽生春夫
認知症高齢者の摂食・嚥下障害
枝広あや子
トラックセッション5「地域における認知症戦略」
大阪市における認知症対策 ── その現状と課題
中西亜紀
地域連携と地域連携パス ── 日本精神科病院協会における地域連携の取組み
田口真源
トラックセッション6「認知症医療におけるクリニックの役割」
認知症クリニックにおける診療状況とその課題
植木昭紀
クリニックが支える認知症患者の在宅生活
小野隆生
診療所でできること ── 早期介入の意味
北村ゆり
若年認知症を発症初期から継続的に支える ── もの忘れクリニックでできること
藤本直規・奥村典子

 
 
論文名 アルツハイマー病診療のスキルアップを考える
著者名 亀山祐美・仙石錬平・新里和弘・武井洋一・秋下雅弘・山崎峰雄・繁田雅弘
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0007-0026,2014
抄録 認知症医療の実践におけるコンセンサスを得る目的で,アルツハイマー病研究会に参加した医師を対象として症例を提示し,認知症医療の実地判断について尋ねた.診断や治療,マネジメント等にかかわる種々の判断についてトータライザーを通して回答を得,そのつどリアルタイムで表示して議論した.
キーワード アルツハイマー病,糖尿病,嗜銀顆粒性認知症,障害年金の改定請求,前頭側頭葉変性症
 
論文名 認知症施策の新展開
著者名 宮島俊彦
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0027-0031,2014
抄録 2012年に厚生労働省のプロジェクトチームが公表した認知症施策は,@標準的な認知症ケアパスの作成・普及,A早期診断・早期対応,B地域での生活を支える医療サービスの構築,C地域での生活を支える介護サービスの構築,D地域での日常生活・家族の支援の強化,E若年性認知症施策の強化,F医療・介護サービスを担う人材の育成の7つの視点に立って,今後,5年間のアクションプランとしているものである.
キーワード 認知症ケアパス,早期診断・早期対応,精神科医療報告,施策の方向性報告,オレンジプラン
 
論文名 認知症の言語症状の診方と代表的徴候
著者名 繁信和恵
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0032-0036,2014
抄録 認知症性疾患にみられる言語症状を診る際には,脳血管障害でみられる言語症状と同様に,自発話・呼称・聴理解・復唱を評価し,要素的な症状に分析してみる必要がある.加えて言語に特異的な機能の障害に由来するのか,認知症の症状そのものに由来する全般的低下なのか,慎重に判断する必要がある.
キーワード 変性疾患,認知症性疾患,言語症状,失構音,アルツハイマー病
 
論文名 進行性失語の症状と対応
著者名 池田 学
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0037-0042,2014
抄録 進行性失語について,脳前方部に原発性の変性病変を有する認知症の枠組みのなかで特徴的な進行性失語症を主症状とする臨床症候群をとらえる流れと,Mesulamが発展させてきた(脳血管性失語に対しての)変性性失語症という流れをたどり,概念の変遷と診断基準の特徴を紹介した.そして,意味性認知症と非流暢性進行性失語おのおのの診断基準をもとに特徴的な症状と対応方法を概説した.
キーワード 進行性失語,前頭側頭葉変性症,原発性進行性失語,意味性認知症,非流暢性進行性失語
 
論文名 アルツハイマー型認知症の言語症状
著者名 松田 実
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0043-0053,2014
抄録 認知症診療では患者との会話が重要であるという視点から,言語症状に注目する意義を述べた.通常のアルツハイマー型認知症(AD)の言語症状は,健忘失語から超皮質性感覚失語に移行していくのが一般的である.また,言語障害を主症状とするADの亜型があり,@喚語困難/漢字の健忘失書型,Alogopenic progressive aphasia,B左側頭葉型AD(意味性認知症様のAD)が区別されることを述べ,それぞれの症候を解説した.
キーワード アルツハイマー型認知症(AD),言語症状,喚語困難/漢字失書型AD,logopenic progressive aphasia,左側頭葉型AD
 
論文名 行動神経学からみた言語症状
著者名 森 悦朗
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0054-0057,2014
抄録 認知症患者には,記憶障害に加えて言語障害(失語)も多く出現する.言語障害はコミュニケーション障害をもたらし,家族にとっては患者を理解しにくくなり,医療者は言語を介するテストの成績低下のため実際より重篤に評価してしまうことが起こる.本稿では行動神経学の立場から,認知症における言語障害を,失語を前景とする認知症性疾患と,認知症のなかのひとつの症状としての言語障害に分けて整理した.
キーワード 認知症,言語障害,原発性進行性失語,アルツハイマー病,前頭側頭葉変性症
 
論文名 異常リン酸化タウタンパク蓄積による神経病理
著者名 齊藤祐子
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0058-0063,2014
抄録 まずタウの発見の歴史とそのタンパク修飾について概説する.とくに,リン酸化について注目し,その機序を述べるとともに,異常にリン酸化されたタウタンパクの蓄積症(タウオパチー)の神経病理の代表的構造や,疾患について述べた.まずアミロイド?を伴うアルツハイマー病について,次に非アルツハイマー病として,異常リン酸化タウ蓄積が病因となりうるタウオパチーとして神経原線維変化優位型認知症や嗜銀顆粒性認知症について述べた.
キーワード 神経原線維変化,ニューロピルスレッド,嗜銀顆粒
 
論文名 CSFタウの臨床的有用性
著者名 谷口美也子,浦上克哉
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0064-0068,2014
抄録 CSF中のタウは,長い研究の成果によってようやく診断マーカーとして注目されてきている.2012年からタウとリン酸化タウが認知症の診断に保険適用されたが,いまだ積極的な活用には至っていないのが現状であろう.本稿では,実際に診断に用いるための参考として,タウの特徴や実際の測定値について,また認知症の早期発見や鑑別に有用であった具体例について紹介する.
キーワード 総タウ,リン酸化タウ,神経変性,神経細胞死,アルツハイマー型認知症
 
論文名 タウイメージングの開発
著者名 樋口真人,丸山将浩,島田 斉,篠遠 仁,張 明栄,須原哲也
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0069-0075,2014
抄録 アルツハイマー病(AD)をはじめとする多くの認知症で,タウタンパクの線維性凝集体は中核病変として神経細胞ないしはグリア細胞内に蓄積する.タウ病変は神経細胞死と密接に関連し,これを標的とした認知症の診断法および治療法が求められている.放射線医学総合研究所では,生体脳でタウ蓄積を画像化できるポジトロン断層撮影(PET)用薬剤の開発に成功した.このPET薬剤は,AD患者で想定されるタウ病変の分布に一致した脳内集積パターンを示した.描出されたタウ病変の広がりは,認知症の重症度と神経細胞死の程度を反映することがわか
キーワード タウタンパク,ポジトロン断層撮影(PET),モデルマウス,皮質基底核変性症
 
論文名 抗タウ治療薬の現在と未来
著者名 吉池裕二
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0076-0080,2014
抄録 現在,アルツハイマー病(AD)治療薬として承認が期待される薬のひとつはメチレンブルー(MB)である.タウの凝集阻害薬として見つかったMBの生体内における作用機序はわかっていない.しかし最近,MBはタウタンパク質を酸化修飾して凝集阻害することが報告された.MBは活性酸素を発生することが知られている.これほどに酸化活性の高い化合物の脳内作用を解明することは,今後の抗タウ治療薬開発において一つの切り口になると考える
キーワード βシート構造,リピンスキーの法則,酸化還元,活性酸素,適応応答
 
論文名 認知症疫学の現状
著者名 池嶋千秋,朝田 隆
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0081-0084,2014
抄録 65歳以上の高齢者について「専門医による医学的判定」に基づき,全国規模での認知症および軽度認知障害(MCI)の有病率,有病者数の推定を行った.その結果,認知症の推定有病率は15%であり,平成24年時点の推定有病者数は約462万人と算出された.また,MCIの推定有病率は13%であり,平成24年時点の有病者数は約400万人と推定された.
キーワード 認知症,MCI,有病率,推定有病者数
 
論文名 疫学調査から考える今後の認知症治療と予防
著者名 山田正仁
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0085-0088,2014
抄録 筆者らの地域における疫学調査では,65歳以上の高齢者における認知症あるいは軽度認知障害(MCI)の有病(有症)率は3割近くに達し,その過半数を占めるアルツハイマー病(AD)の予防・治療法の開発と,発病過程の評価に有用かつ簡便なマーカーの確立が急務になっている.筆者らはライフスタイルとADとの関連を示した疫学研究に注目し,食品成分のフェノール化合物のAD予防・治療効果について実験および臨床研究を行っている.
キーワード 認知症,軽度認知障害,疫学調査,アルツハイマー病,治療,予防
 
論文名 BPSD薬物治療の新たな展開に向けて
著者名 角 徳文
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0089-0097,2014
抄録 認知症診療はこれまで以上に地域での持続的なかかわりが重要とされ,そのなかでBPSDへの対応もかかりつけ医に求められる.そのような状況を鑑み,全国のかかりつけ医,専門医への調査を行ったところ,回答を得られた施設の96.8%に認知症患者が通院しており,実にその95.2%に向精神薬が処方されていることが調査で判明した.BPSDに対しては非薬物療法が優先されることや現状では適応のある向精神薬がほとんどないことから,今後,BPSDの薬物療法に関する一定の指針が必要であろう.
キーワード BPSD,抗精神病薬,抗うつ薬,ベンゾジアゼピン系薬物,抗てんかん薬
 
論文名 摂食障害
著者名 梅垣宏行
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0098-0102,2014
抄録 アルツハイマー病(AD)における摂食障害は,頻度が高く,予後にも大きく影響する問題である.軽度のADでも16%に食欲低下が認められ,高度ADでは,その約80%において体重減少や嚥下障害,食事拒否,食事量減少,脱水などが認められると報告されている.ADの摂食障害の原因は多岐にわたる.嚥下障害,意欲低下・うつ,薬剤,介護上の問題点,嗜好の変化などが原因になりうる.摂食障害への対応は,@nutritional supplement(栄養補充),A介護者への教育,B食事介助,C食環境の整備の大きく4つに分けられる
キーワード 体重減少,嚥下障害,nutritional supplement,コリンエステラーゼ阻害薬
 
論文名 睡眠障害
著者名 三島和夫
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0103-0110,2014
抄録 認知症高齢者の睡眠障害は臨床場面で最もよく遭遇する症候のひとつであり,慢性経過をたどるケースが多く,薬物療法も奏功しないことが多い.認知症では睡眠・覚醒系神経核とその投射系,生物時計中枢である視交叉上核,大脳皮質などに器質障害が生じるため,これらの脳部位を作用点とする催眠鎮静系薬物の効果は限定的となる.また,認知症患者が夜間不眠を呈しているときには,不眠症だけではなく,睡眠時無呼吸症候群,レストレスレッグス症候群,概日リズム睡眠障害(不規則睡眠覚醒型)など多様な睡眠障害の存在を疑う必要がある.それぞれの睡
キーワード 認知症,睡眠障害,睡眠・覚醒,概日リズム,非薬物療法
 
論文名 認知症と転倒・骨折
著者名 羽生春夫
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0111-0116,2014
抄録 超高齢者の増加により,認知症や骨折患者が急増している.アルツハイマー病(AD)を中心とした認知症では転倒リスクが2倍以上と高い.認知症が重症となるにしたがい,さらにADよりもレビー小体型認知症や血管性認知症で転倒しやすくなる.ADでは病理・病態に関連した骨密度の低下も認められ,骨折リスクも2〜3倍に増大している.ビスホスホネートやビタミンDが骨折や転倒リスクを減少させ,転倒予防のための筋力訓練や骨折予防のためのヒッププロテクターの使用が薦められる.
キーワード 認知症,アルツハイマー病,転倒,骨折,骨粗鬆症
 
論文名 認知症高齢者の摂食・嚥下障害
著者名 枝広あや子
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0117-0122,2014
抄録 高齢者の摂食・嚥下障害については脳血管障害後遺症をベースに対応法が確立されつつあるが,認知症に対しては対応法が確立されていなかった.これまでの調査における実態把握により,アルツハイマー病(AD)の摂食・嚥下障害では“広義の嚥下障害”を引き起こす要因に着目する必要性が確認された.ADの摂食・嚥下障害には「身体機能障害」に加え,認知症特有の「環境との関係性の障害」が関係していると考えられる.
キーワード アルツハイマー病,摂食・嚥下障害,食行動,先行期障害
 
論文名 大阪市における認知症対策
著者名 中西亜紀
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0123-0128,2014
抄録 急速な高齢化の進行とともに,大阪市でも認知症高齢者が急増している.独居高齢者が多いことや精神科病床がきわめて少ないなどの固有の課題を抱えながらも,近年地域ごとに多職種のネットワークが生まれ,認知症の早期発見・治療・支援に積極的な活動を展開してきている.今後は,長期的展望に立った人材育成や,認知症予防につながる地域住民の閉じこもり対策など,行政のリーダーシップが期待される.
キーワード 認知症,ネットワーク,地域づくり,都市,独居高齢者
 
論文名 地域連携と地域連携パス
著者名 田口真源
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0129-0133,2014
抄録 日本精神科病院協会の高齢者医療・介護保険委員会では厚生労働省障害者総合福祉推進事業において地域連携パスの作成に取り組むことなった.おりしも筆者の地元の岐阜県でも地域連携モデル事業を医師会が委託されており,両者の間で情報のやりとりをした.そのなかで,地域連携のネットワークづくりが進行した.この過程の概略を説明し,認知症の地域連携のあり方について提言したい.
キーワード クリニカルパス,地域連携,認知症急性期治療,重度認知症デイケア
 
論文名 認知症クリニックにおける診療状況とその課題
著者名 植木昭紀
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0134-0139,2014
抄録 認知症を専門に完全予約制の診療を行う筆者のクリニックは家族や医療機関などからの依頼による認知症の早期診断,認知症疾患の鑑別診断や専門的治療,家族指導や社会資源の情報提供といった介護支援に貢献しているといえる.今後の課題として,身体合併症や認知症の行動・心理症状に対する入院治療が可能な医療機関との連携,さらに通院治療と並行しての個別ケアや介護支援,診療を拒否する場合,単独での通院がむずかしい場合に対応するための地域包括支援センターなどの公的機関,かかりつけ医,訪問診療や訪問看護との協力体制の構築が必要である
キーワード 老年精神科,認知症クリニック,認知症,医療連携,地域連携
 
論文名 クリニックが支える認知症患者の在宅生活
著者名 小野隆生
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0140-0144,2014
抄録 認知症の人が,なじみの居場所である自宅や地域で生活を続けられることは最も望ましいことである.しかし,在宅介護を選択すると,結果的に介護家族が大きな負担を強いられている現実がしばしばみられる.その原因を考察すると,認知症の在宅診療・介護を行ううえで,まちがった理解や対応法があることに気づく.在宅診療の担い手であるクリニック医師がとくに留意すべき事項について述べる.
キーワード 認知症,クリニック,服薬管理,介護家族支援
 
論文名 診療所でできること
著者名 北村ゆり
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0145-0149,2014
抄録 筆者は認知症の人との出会いが介護施設から始まったため,BPSDの多くは適応障害であると考えており,環境を調整することにより,なるべく認知症の人を病院に入院させないように援助することを認知症治療の目標のひとつにしている.そのために重要な早期診断と早期からの継続した薬物治療,環境調整への介入を行うことが,身近で敷居が低いからこそできる,診療所の役割であると考えている.
キーワード 認知症,早期介入,エラーレス,身近型認知症疾患医療センター,認知症初期集中支援チーム
 
論文名 若年認知症を発症初期から継続的に支える
著者名 藤本直規,奥村典子
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,25(suppl1):0150-0157,2014
抄録 若年認知症の人を発症初期から継続的に支えるために,筆者らのクリニックでは,診断,病名告知と心理教育,薬物治療,非薬物治療として症状の改善ないし機能維持を目的とした認知リハビリテーション的なケア(「もの忘れカフェ」),認知機能障害の進行に合わせたケア,オーダーメイドのきめ細かな家族支援を行ってきた.また,地域連携の取組みとして,面接・電話相談,介護事業所に出かける現地相談,医療・福祉の連携の会を行っている.さらに,就労支援として,医師会,産業医,地域包括支援センターなどと支援会議を開催し,企業へのアンケート
キーワード 若年認知症,病名告知,心理教育,非薬物療法,もの忘れカフェ