論文名 |
血管性認知症,アルツハイマー型認知症の認知機能と発達に基づいたADL能力の関連 |
著者名 |
久野真矢・前川正雄・武内 淳・松本佳子・岡田侑子・西野憲史
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雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,23(7):837‐845,2012 |
抄録 |
本研究は,血管性認知症(VaD)とアルツハイマー型認知症(ATD)の認知機能と発達に基づいた日常生活活動(ADL)能力の関連を調べることを目的とした.VaD 108人,ATD 112人を対象として,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),Mini-Mental State Examination(MMSE),N式老年者用精神状態尺度(NMスケール)の得点と子どもの発達に基づいて作成したADL評価表から決定した機能年齢の関連を相関係数の検定と単回帰分析で解析した.VaD,ATDともに認知機能評価スケール得点と機能年齢の間に強い相関を認め,ADL能力低下が子どもの発達の逆の過程で生じることが実証された.また,VaD,ATDともに特有の予測精度が高い回帰式が示され,VaD,ATDそれぞれにADL能力低下に差異があること,認知機能から達成可能なADL能力の設定が可能であることが示された.
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キーワード |
認知機能,日常生活活動(ADL),血管性認知症,アルツハイマー型認知症 |