論文名 |
レビー小体を伴う認知症(dementia with Lewy bodies ; DLB)とアルツハイマー病における認知機能変動の検討 |
著者名 |
飛田靖人・永島敦子・佐藤卓也・佐藤 厚・今村 徹
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雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,23(3):325-333,2012 |
抄録 |
認知機能変動はレビー小体を伴う認知症(dementia with Lewy bodies ; DLB)における中核症状のひとつであるが,臨床上の認知機能変動そのものを対象とする研究はほとんど報告されていない.そこで本研究では先行研究をもとにShort Fluctuations Questionnaire(SFQ)で定義した認知機能変動と他の要因の関係を検討した.対象:アルツハイマー病(Alzheimer's disease ; AD)またはDLB患者111人.方法:年齢の影響を統計学的に統制したうえで認知機能変動の有無と認知機能の指標との関係を検討した.結果:ADAS下位項目の口頭命令と構成,FAB合計得点,下位項目の葛藤指示,Go/No-goに有意な群間差がみられた.またMMSE下位項目のSerial-7,三段階命令,FAB下位項目の運動系列で群間差の傾向がみられた.考察:群間差,またはその傾向がみられたFAB下位項目の葛藤指示,Go/No-go,運動系列はいずれも反応抑制課題であるが,これらの課題はDLBとADで成績に差がないことがすでに報告されている.反応抑制の低下と認知機能変動の関係は直接的なものである可能性がある.
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キーワード |
レビー小体を伴う認知症,認知機能変動,Short Fluctuations Questionnaire,アルツハイマー病,反応抑制
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