論文名 |
高齢者の終末期医療をめぐる法的諸問題 ─ 高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として ─ |
著者名 |
小此木清
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雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,23(10):1218‐1224,2012 |
抄録 |
日本老年医学会は,「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」をもって,高齢者の終末期における人工的水分・栄養補給(AHN)について導入や中止・差し控えなどを判断する際の指針とした.ガイドラインに沿って胃瘻栄養法を終了して高齢者本人の死をもたらした場合,司法が介入することは,実際上あり得えないとする.たしかに,ガイドラインは,AHN差し控えという判断をする社会通念の醸成に重要な役割を果たすであろう.しかし,高齢者本人の自己決定権,とくに事前の意思を第一に尊重したかどうか,さらに事後において,意思決定プロセスをたどって合意に至った経過事実を検証し,その過程を可視化することが,やはり必要である.
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キーワード |
自己決定権,ガイドライン,胃瘻,終末期,尊厳死,可視化 |