論文名 | 認知症における認知リハビリテーション |
著者名 | 森山 泰,三村 將 |
雑誌名 巻/号/頁/年 | 老年精神医学雑誌,22(11):1277-1281,2011 |
抄録 | 認知リハビリテーションは患者の認知的側面に働きかけ,直接的に認知機能の改善を目指し,間接的に心理的安定や精神症状・行動障害の軽減を図る.認知症高齢者の認知リハビリテーションは,実施の方法から集団と個人リハビリテーションに区分される.前者には回想法,現実見当識訓練法(ROT),芸術療法,バリデーション療法(確認療法)などが,後者には学習療法などが含まれる.しかしこれらの治療効果に関するエビデンスは乏しく,個々のレベルで効果がみられてもそれがscientificなかたちでの均一群への均一なアプローチとしてのエビデンスには至りにくい. |
キーワード | 認知症,非薬物療法,認知リハビリテーション,現実見当識訓練法 |
論文名 | 眼内炎をきたした認知症高齢者に全身麻酔下にて眼球摘出術を施行した2症例 |
著者名 | 清水久雄・西山佳寿子・福田宏美・森 秀夫 |
雑誌名 巻/号/頁/年 | 老年精神医学雑誌,22(11):1291-1294,2011 |
抄録 | 認知機能障害がある高齢者の日常生活動作の程度を測定する「認知機能障害に伴う日常生活動作評価票(以下,ADL-Cog)」と行動と心理状態を測定する「認知機能障害に伴う行動・心理症状評価票(以下,BPS-Cog)」を考案し,要介護度認定調査員ならびに日本老年精神医学会員医師に依頼し,その信頼性と妥当性の検証を行った.方法は,認知機能障害を伴う高齢者に2つの新しい評価票を用いてADLと行動・心理症状を測定した.信頼性の検証では,DVD画像を用いて認定調査員42人,医師39人の評価者間一致率を,また認定調査員のみ評価者内一致率を検証した.妥当性の検証では,565人の認知機能障害を伴う高齢者にADL-CogならびにBPS-CogとFAST,Behave-AD,「認知症高齢者の日常生活自立度」を同時に実施し,相互の相関関係を求めた.結果では,評価者間一致率が2つの評価票ともに69%以上と高く,また認定調査員による評価者内一致率もADL-Cog,BPS-Cogともに87%以上の一致率がみられ,さらに級内相関係数(ICC)は認定調査員間で相関係数が0.77以上,医師と調査員間では0.71以上であった.既存測度のFASTとADL-Cogの相関は相関係数が0.715,またBehave-ADとBPS-Cogは相関係数0.611の相関が認められた.以上から,ADL-CogならびにBPS-Cogの信頼性と妥当性は,検証された. |
キーワード | 認知症,ADL-Cog,BPS-Cog,認知機能,評価測度 |