認知症ケア環境事典 −症状・行動への環境対応Q&A−
日本建築学会/編
体 裁
A5判 266頁
刊行日
2009年5月10日
ISBN
9784863510104
内容紹介
ここ十数年の間,認知症ケアのパラダイムは大きく転換し,「ケアの向上には,よい環境が不可欠である」と認識されるようになりました.
実際にグループホームやユニットケアなど新しい居住形態が登場するとともに,
家庭的なしつらいや家具レイアウトなどのケア環境の改善に関する試みも広く実践されるようになってきました.
本書は,こうした実践について分かりやすく体系的に整理したものです.
まず,認知症ケア環境の基本的な考え方(1章)を述べたうえで,生活場面からみた認知症ケア環境のあり方(2章)について留意点を整理し,
次に,介護現場で問題となるさまざまな症状・行動への環境的対処(3章)について,Q&Aの形式でまとめています.読む順番は最初からではなくてもよく,
目次から知りたい環境的な対処を読み,その後,1章や2章の一般論に戻ることもできます.
また,関連する内容が他のページにも書かれている場合は,注として関連項目やページを掲載したほか,4章に建築的な専門用語など,
認知症ケアにかかわるキーワードを解説しています.こうした注も参照することで,より深く内容を理解いただけるでしょう.
〜「はじめに」より抜粋
執筆者一覧 ※所属は掲載当時
- 明山 泰之 (社福)正吉福祉会特別養護老人ホームいなぎ正吉苑
- 足立 啓 和歌山大学システム工学部
- 石井 敏 東北工業大学工学部
- 糸山 剛 竹中工務店医療福祉本部
- 大島 千帆 田園調布大学人間福祉学部
- 大原 一興 横浜国立大学大学院工学研究院
- 影山 優子 西部文理大学サービス経営学部
- 加藤 悠介 豊田工業高等専門学校建築学科
- 絹川 麻理 岡山大学大学院自然科学研究科
- 古賀 誉章 東京大学大学院工学系研究科
- 児玉 桂子 日本社会事業大学社会福祉学部
- 下垣 光 日本社会事業大学社会福祉学部
- 橘 弘志 実践女子大学生活科学部
- 岡本加奈子 (社福)中庸会特別養護老人ホーム天美苑
- 二井るり子 プラネットワーク
- 沼田 恭子 沼田恭子建築設計事務所
- 浜崎 裕子 長崎国際大学人間社会学部
- 隼田 尚彦 北海道情報大学情報メディア学部
- 松浦 正悟 大和ハウス工業(株)シルバーエイジ研究所
- 松原 茂樹 大阪大学大学院工学研究科
- 三浦 研 大阪市立大学大学院生活科学研究科
- 森 一彦 大阪市立大学大学院生活科学研究科
- 山口健太郎 近畿大学理工学部
- 山田あすか 立命館大学理工学部
- 厳 爽 宮城学院女子大学学芸学部
目次
-
第1章 認知症ケア環境の考え方
- 1-1 認知症ケア環境とは
- 1-2 認知症と環境適応
- 1-3 居住形態:認知症の人のための生活の場の変還から考える
- 1-4 認知症ケアのための施設環境改善の手法と実践
- 第2章 生活場面からみた認知症ケア環境
- 2-1 交流・集まり
- 2-2 家事
- 2-3 食事・喫茶
- 2-4 就寝・起床
- 2-5 入浴
- 2-6 トイレ
- 2-7 洗面
- 2-8 散歩・買い物
- 第3章 症状・行動への環境対応Q&A集
- 3-1 外出欲求・帰宅欲求
- 3-2 落ち着いていられない
- 3-3 他の入居者とのトラブル
- 3-4 不穏・妄想・拒否
- 3-5 なじみ・適応・分かりやすさ
- 3-6 適正を生かすための環境
- 3-7 排泄
- 3-8 事故・安全
- 第4章 認知症ケア環境に関するキーワード
- 1. ヒューマンスケール
- 2. 動作領域
- 3. 動線
- 4. 視認性
- 5. アフォーダンス
- 6. 行動セッティング
- 7. 環境適応・なじみ
- 8. 環境移行
- 9. パーソナルスペース
- 10. プライバシー
- 11. セミパブリック・セミプライベート
- 12. 空間の見通し
- 13. 回遊性
- 14. 固有の居場所
- 15. 消極的参加の場
- 16. 居方
- 17. 心象風景
- 18. 環境要素の調整
- 19. カラーコーディネーション
- 20. 素材とテクスチャー
- 21. 採光とライティング
- 22. におい・風・音などの環境刺激の調整
- 23. セキュリティ
- 24. ユニットケアの実施に向けた施設改修
- 25. 個室
- 26. 民家改修型施設
- 27. アクションリサーチ
- 28. 生理的指標
- 29. 行動観察調査
- 30. インタビュー調査
- 31. キャプション評価法
- 32. PEAP
関連書籍