第16回学術集会は，第27回日本老年学会総会，日本老年学会の組織会員として参加する最初の集会です．私たちの発表のみならず他学会の発表にも目を向け，新しい知見を広げられる機会になってほしいと願っております．
　さて，学会創立16年目になる歳月を顧みますと，看護教育カリキュラム改正により「老年看護学」教科が興ったのが平成元（1989）年です．研究，教育，実践の一体的教育に基づく人材育成が公的なものとして進められるようになったという意味で「日本老年看護学教育元年」といえるでしょう． 日本老年看護学会設立年は平成7（1995）年です．会員有志による大学院研究科における老年看護学教育のあり方検討と同時並行的に学会設立準備会を経て本学会は誕生しました．
　第16回学術集会は，老年看護学教育元年のときから数えると23年目になります．日本の老年看護学徒として4半世紀を目前にしているいま，改めて老年看護学のアジェンダについて確認しあえるような企画プログラムを組んでみました． 　東日本大震災の被災地と被災者の不条理な状況と，次々に明らかになる高齢者の健康被害の状況に思いを馳せつつ，だからこそ震災3か月目の6月のこの数日を「長寿社会の活力を生み出す老年看護」をメインテーマとして集う意味を深められる集会にしたいと念じております．