老年精神医学雑誌 Vol.24-7
論文名 認知症の診断・治療における心理アセスメントの役割
著者名 松田 修
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):645-649,2013
抄録 認知症医療における心理アセスメントの役割は大きい.とりわけ,中核症状である認知機能障害のアセスメントは,認知症の病態を理解し,個々の患者の適応支援を行ううえで,重要な役割を担っている.認知症のアセスメントには,検査法によるアセスメントのほかにも,観察法によるアセスメントや面接法によるアセスメントがある.アセスメントの目的や患者の状態に応じて最適な方法を選択することが重要である.
キーワード 認知症,アセスメント,検査法,観察法,面接法
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論文名 プライマリ・ケア医の認知症診断に役立つ認知機能アセスメント
著者名 浦上克哉
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):650-653,2013
抄録 認知症は発症頻度が高い疾患であり,早期診断・早期治療が期待されている.早期診断につなげるためには早期発見が重要であり,そのコツとして,家族や介護者から情報を得る,メディカルスタッフから情報を得る,医師が診察室で気づくためのポイントを挙げた.次に短時間で施行可能な心理アセスメント法のひとつとして簡易な認知機能スクリーニング検査を紹介し,最後に4大認知症の鑑別の要点を解説した.
キーワード アルツハイマー型認知症,コリンエステラーゼ阻害薬,ドネペジル塩酸塩,簡易スクリーニング検査,タッチパネル
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論文名 変性性認知症の鑑別および早期発見における神経心理検査の役割
著者名 村山憲男,田ヶ谷浩邦,井関栄三
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):654-659,2013
抄録 神経心理検査によるアルツハイマー型認知症(AD)やレビー小体型認知症(DLB)の鑑別について,代表的な神経心理検査をそれぞれ紹介した.また,認知症の早期発見として,これらの疾患に特有の障害が顕在化する以前の前駆状態を対象にした神経心理評価法について解説した.たとえば,ADの早期発見では,健忘型軽度認知障害(aMCI)に対する既存の評価法の限界について解説し,WMS-RとWAIS-IIIを組み合わせた評価法を紹介した.
キーワード 神経心理検査,WAIS-III,アルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症,軽度認知障害
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論文名 認知症介護における心理アセスメントの役割
著者名 加藤伸司
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):660-665,2013
抄録 認知症介護領域では,認知機能の評価や重症度の評価だけではなく,精神機能全般のアセスメントやBPSDのアセスメントなどが活用される.アセスメントの結果は,評価の得点や重症度の段階のように,要約された情報だけではあまり意味がなく,アセスメントに含まれる具体的内容を参考にすることが必要である.認知症介護に当たるスタッフにはアセスメント情報の意味を読み取るスキルが,また結果を伝える専門職にはケアの参考になるような情報を伝えるスキルが求められる.
キーワード 認知症介護,認知機能評価,重症度評価,BPSD評価,心理アセスメント情報
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論文名 介護家族の理解と支援における心理アセスメントの役割
著者名 無藤清子
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):666-676,2013
抄録 介護者・介護家族の理解と支援のための心理アセスメントの枠組みに関して,リスクと,家族・拡大家族と諸システムにおける関係性のアセスメント,また,支援が機能するための,介護者と問題体験との関係性における時機,支援者自身の介護者観のアセスメントを整理した.そして詳細な諸アセスメントを統合する要として,ナラティヴな志向的状態理解のための協働的会話について論考した.最後に,介護者と共にするアセスメント過程自体が支援的となりうることを中心に心理アセスメントの役割を指摘した.
キーワード 介護者支援,関係性,志向的状態理解,ナラティヴ・セラピー,同化
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論文名 介入効果評価における心理アセスメントの役割
著者名 本間 昭,中村 祐
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):677-682,2013
抄録 本稿では認知症治療や臨床試験の効果評価で用いられる心理検査,つまり主として認知機能検査を含めた薬効評価の考え方について解説する.現時点では治療薬があるのはアルツハイマー病(AD)に限られるためにAD治療薬の開発のための薬効評価,とくに対症療法薬の薬効評価法としてコンセンサスが得られているdual assessmentにおける認知機能検査と全般的な状態像の評価法を解説した.また,臨床場面における薬効評価の課題を示した.
キーワード 認知症,アルツハイマー病,薬物療法,治験,薬効評価
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論文名 精神鑑定における心理検査の役割
著者名 斎藤正彦
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,24(7):683-688,2013
抄録 高齢者の精神鑑定には,刑事事件における責任能力鑑定,民事事件における行為能力ないし意思能力鑑定,成年後見審判における鑑定等がある.高齢者の精神鑑定における心理評価では,知能,記憶等に関する加齢変化の評価に加え,刑事鑑定においては情動の制御,アルコール等の物質の影響等の評価が,死後に行われることが多い民事鑑定では,限られた検査結果を客観的に分析し,可能な限り多くの情報を提供することが求められる.
キーワード 精神鑑定,高齢者,刑事鑑定,民事鑑定,成年後見制度
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