老年精神医学雑誌 Vol.18-3
論文名 脳血管障害へのリハビリテーション:現状と今後の課題
著者名 福田倫也,平賀よしみ,安田菜穂,中西浩司
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):251-257,2007
抄録 脳卒中治療ガイドラインでは,発症直後から,急性期,回復期,維持期にわたって,一貫した流れでリハビリテーション(以下,リハ)を行うことが推奨されている.急性期,回復期には組織化された場で,患者ごとに適合したプログラムに基づいて,リハチームにより集中的な訓練が行われる.維持期には地域において,介護保険をはじめとする種々の制度を利用して,歩行能力などを維持,向上させるためのリハが実施される.
キーワード 脳血管障害,急性期リハ,回復期リハ,維持期リハ,リハチーム
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論文名 脳血管障害の急性期診療とリハビリテーション
著者名 内山真一郎
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):258-266,2007
抄録 脳血管障害急性期の診断と治療について述べ,リハビリテーションの位置づけと注意点を述べた.運動障害のリハビリテーションは廃用症候群を防止するため脳卒中発症後可能なかぎり早く開始する必要があるが,発症後48時間までは脳卒中症状の進行に注意し,開始前に起立性低血圧の有無をチェックする.早期再発リスクの高い心原性脳塞栓症では抗凝固療法を併用する.脳卒中後に生じる血管性うつはリハビリテーションの阻害因子になるので治療が必要である.
キーワード 早期リハビリテーション,廃用症候群,進行性脳卒中,心原性脳塞栓症,血管性うつ
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論文名 脳血管障害のクリニカルパスとリハビリテーション
著者名 石田 暉
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):267-277,2007
抄録 リハビリテーション(以下,リハビリ)は単に医学的側面ばかりでなく社会的,心理的,経済的な側面にも早期に働きかけを必要とする複雑な治療の基盤がある.多職種が関与し調和をもって治療に当たらなければならない特殊性がある.クリニカルパスは多職種が関与するリハビリにおいてチーム医療の推進やリハビリ医療の標準化のツールとしてとくに脳血管障害(急性期〜回復期)の間で急速に広がっている.
キーワード リハビリテーション,クリニカルパス,脳血管障害
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論文名 脳血管障害へのリハビリテーション:運動障害を中心に
著者名 石川 誠
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):278-283,2007
抄録 脳血管疾患のリハビリテーションは,急性期病院で発症早期から実施される急性期リハビリテーション,回復期リハビリテーション病棟において実施される機能障害の改善およびADLの向上を図り自宅復帰を目指す回復期リハビリテーション,さらに在宅において通所や訪問の形態で実施される維持期リハビリテーションに区分されているが,今後は維持期リハビリテーションの充実と各ステージの強力な連携が課題である.
キーワード 急性期リハビリテーション,回復期リハビリテーション,維持期リハビリテーション
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論文名 脳血管障害への在宅支援と訪問リハビリテーション
著者名 及川忠人
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):284-289,2007
抄録 昨今,在宅支援と訪問リハビリテーションは脳血管障害へのリハビリテーションの流れのなかで,とくに維持期において重要な位置を占めるようになった.しかしながら現状の課題はその訪問リハビリテーションを十分に普及するだけの体制を整えること等について困難な課題が山積している.本稿では最初に訪問リハビリテーションの定義と目的を中心に述べて,訪問リハビリテーションの内容の評価とそれらの基本的課題を述べ,さらに当財団の訪問リハビリテーション体制についてその流れと現状について紹介し,典型的事例を示しながら,介護保険要介護認定のレベルと訪問リハビリテーションを実際に実施する上での課題と介護予防との関連にもふれた.また訪問リハビリテーションの抱える課題についての検討を行い,地域医療の維持確保に関する重要な役割を担っていることを述べた.
キーワード 在宅支援,日常生活動作,日常生活関連動作,生活評価,廃用症候群
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論文名 脳血管障害への言語聴覚療法
著者名 立石雅子
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):290-296,2007
抄録 失語症のおもな言語症状ならびに失語症に対する言語聴覚療法の内容について解説した.とくに発症からの経過時期により,機能的アプローチ,コミュニケーション能力への働きかけ,環境への働きかけ,心理的支持という種々の働きかけについて比重のおき方が異なること,失語症の言語聴覚療法には長い期間を要することを解説した.医療保険の改定により,失語症は除外されているものの障害別に算定日数制限が設けられ,長期間の訓練を保障するためには訓練効果を客観的データで示すことが今後の課題であることを述べた.
キーワード 失語症,言語症状,言語聴覚士,言語聴覚療法,発症後の経過
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論文名 脳血管障害への認知リハビリテーション
著者名 本田哲三
雑誌名
巻/号/頁/年
老年精神医学雑誌,18(3):297-302,2007
抄録 脳血管障害への認知リハビリテーション(以下,リハビリ)は近年脚光を浴びている分野である.認知リハビリの対象となる高次脳機能障害は失語症が最も多く,以下,注意障害,半側空間無視と続き,失認や失行は比較的少ない.認知リハビリは失語と半側空間無視への対応から始まり,順次注意障害,遂行機能障害と対象を広げてきた.EBMの立場からも近年有効性が実証されつつある.実際,われわれの経験でも介入後に知能検査(WAIS-R)で有意の改善が認められている.
キーワード 脳血管障害,認知リハビリテーション,高次脳機能障害,東京都高次脳機能障害者実態調査
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