論文名 | わが国の高齢化の現状 |
著者名 | 小川全夫 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):841-846,2003 |
抄録 | わが国の人口高齢化はそのスピードの速さで今後30年間は世界のトップレベルを走り続ける.また団塊の世代の高齢化とその後における世代の少子化の結果,世代間関係を大きく変化させるだけでなく,補充移民の受け入れ問題に伴うエスニシティ関係を抱え込むことも想定せざるをえない.このようななかで社会制度を維持するためには,市場や行政の改革のみならずソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の強化が課題となっている. |
キーワード | ソーシャル・キャピタル,生涯現役,プロダクティブ・エイジング,団塊の世代,補充移民 |
論文名 | active ageingをめざして;社会参加・相互扶助の可能性と進め方を考える |
著者名 | 前田大作 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):847-852,2003 |
抄録 | 平均寿命の長い高齢社会においては,前期高齢者の場合,病気があるということと行動的な日常生活を送ることができることとの間の因果関係は非常に薄くなっている.病気があっても可能なかぎり活動的な生活を送るようにすべきである.日本でもすでに多くの高齢者が社会参加活動を行っている.とくにボランティア活動を行っている高齢者の比率は高く,60〜64歳の人で30.5%,65〜69歳の人で31.4%,70歳以上でも25.5%である. |
キーワード | 高齢者,healthy ageing,active ageing,パートタイム就労,ボランティア活動 |
論文名 | 高齢者の社会参加の現状と課題 |
著者名 | 堀田 力 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):853-858,2003 |
抄録 | 高齢者は,次世代を担う子どもたちの養育に参加する意欲が強い.彼らに行政が謝礼金(スタイペンド)を支払い,学校教育についていけない子どもたちのための寺子屋教室や家庭教師をしてもらうことは,子どものためだけでなく,彼らの生きがいや健康維持のためにもよい.彼らに相互扶助型のボランティア活動をしてもらう仕組みとしては,地域通貨制度が優れている.また,就労意欲のある高齢者のため,ワークシェアリング制度を採用すべきである. |
キーワード | 子育て・教育参加,スタイペンド,地域通貨,ワークシェアリング,働き方を選べる社会 |
論文名 | 高齢者の社会参加としてのボランティア活動の役割 |
著者名 | 木下康仁 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):859-864,2003 |
抄録 | 高齢者の社会参加,その具体的形態としてのボランティア活動を考える際にこれまで前提となっていた部分を再考し,高齢者を客体化しない立場を設定した.次いで,シニアボランティア調査を例に,当初は趣味などで始まったグループ活動が途中でボランティア活動へと変化していくダイナミズムを論じた.また,地域社会での住民活動が多様なかたちでの高齢者を含めた住民の参加の機会を創出している例を呈示し,その可能性を論じた. |
キーワード | 脱客体化,地域還元型活動,ハイコンテキスト,地域社会,関係性 |
論文名 | 高齢者の社会参加としてのNPO活動の意義;ミニデイを使ったまちおこし |
著者名 | 光岡明子 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):865-877,2003 |
抄録 | ミニデイはまちづくりの拠点となりうるか.結論から言えばなれると思う.しかし,ミニデイが発展性のあるまちづくりの拠点となるためにはいくつかの課題がある.スタッフの研修,事務局サポート,場所と資金の支援などの課題をどうクリアするかの事例を6つあげてあるので参考としてほしい. |
キーワード | ミニデイを使ったまちおこし |
論文名 | 高齢者の社会参加と世代間交流 |
著者名 | 須田木綿子 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):878-883,2003 |
抄録 | 高齢者の社会生活領域における世代間関係を組織化された社会生活領域と組織化されない社会生活領域に区別し,さらに前者を保健福祉サービス提供活動領域とアドボカシー等の市民活動領域に分けた.そして,これら下部領域ごとの世代間交流の現状と課題を,制度・政策領域と私的生活領域における世代間関係に言及しつつ検討した.最後に,高齢者の間に生まれつつある新しい生き方について概観し,世代間交流の今後を占った. |
キーワード | 世代間交流,世代間関係,社会生活領域,新しい高齢者像 |
論文名 | 高齢者の社会参加の促進・阻害要因 |
著者名 | 宇良千秋 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年精神医学雑誌,14(7):884-888,2003 |
抄録 | 高齢者の社会参加を促進するためには,下記のような条件を整えることが必要である. (1)高齢者の社会参加を阻害している要因を明らかにする (2)社会参加しない高齢者を戸別に訪問して,地域情報や健康情報を提供する仕組みをつくる (3)訪問担当者との間に信頼関係をつくったうえで,他の人との交流や地域活動への参加のきっかけをつくる (4)社会参加していない高齢者のニーズを把握し,それに合ったサービスを提供する |
キーワード | 社会参加,阻害要因,促進要因,戸別訪問 |