第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【II B-4】

心理検査

DAT患者を用いたMMSEの内部構造に関する因子分析的検討;四分相関係数をもとに
      
 

筑波大学心身障害学系  山中克夫
東京大学大学院総合文化研究科  望月寛子 丹野義彦
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科  泉園子
東京都多摩老人医療センター精神科
中村聡 新垣浩 田ヶ谷浩邦
  

【背景】臨床現場で頻繁に実施されているMMSEについて,その内部構造を検討した例は数少ない.Jonesら(2000)は,ノーマルサンプルを用いて因子分析を行った.本研究では,アルツハイマー型患者(以下,DAT患者)の場合にそれらと同様の因子構造がみられるかどうか検討した.

【方法】対象と手続き:DAT患者68名にMMSEを実施.分析方法:MMSEの全項目について四分相関係数をもとに主成分分析を行い,プロマックス斜交回転を行った.

【結果と考察】Jonesらの研究では固有値1以上の因子は5つであったが,本研究からは,9つ抽出された.因子パターン行列,構成行列をみると,Jonesらの「言語と行為」「見当識」の因子がそれぞれ「聴覚的意味理解」「指示理解」「書字・構成行為」と「時間の現実認識」「時間・場所の既有知識」「場所の現実認識」に分化したことが明らかにされた.

2001/06/15


 演題一覧へ戻る