第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【II B-2】

心理検査

ADL,IADLを決定する認知機能
      
 

東京大学大学院総合文化研究科認知行動科学  望月寛子
筑波大学心身障害学系  山中克夫
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科  泉園子
東京都多摩老人医療センター精神科  新垣浩 田ヶ谷浩邦
  

【背景】認知機能の低下によって基本的ADL,IADLともに低下することは容易に予想されるが,認知機能のどのような側面と関係するのかは明らかではない.またreported IADLとobserved IADLは必ずしも一致しないことが考えられる.そこで本研究では,実際にreported ADL,reported IADL,observed IADLを評価し,それぞれのレベルと関係の深い認知機能をMMSEの得点から検討した.

【方法】対象:アルツハイマー型痴呆患者11名.方法:reported ADLは,排泄,摂食,整容,reported IADLは服薬,家計管理,食事の支度について,主たる介護者からインタビューによって情報を得た.observed IADLは服薬,金銭管理,お茶を入れる場面を設定し,患者の実際の動作を観察して評価した.

【結果と考察】時間の見当識が低下するとreported ADLが低下していた.reported IADLとobserved IADLの間には有意な関係はなかった.observed IADLでは,場所の見当識,口頭命令に従う,構成の得点が低いとレベルの低下が認められた.

2001/06/15


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