第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【II A-20】

ケア

痴呆性高齢者の健康関連QOL評価票作成
      
 

岡山大学医学部精神科神経科  寺田整司 藤田大輔 黒田重利
慈圭病院  石津秀樹
山本クリニック  山本智之
きのこエスポアール病院  佐々木健
山陽病院  中島良彦
  

【はじめに】近年,医学の分野においてもQOLが非常に重視されるようになってきている.しかし,QOLは本来,主観的なものであり,痴呆性高齢者においてはQOLを正しく評価することが非常に困難である.われわれは昨年度に引き続き,痴呆性高齢者のQOL評価に取り組み,最終的な健康関連QOL評価票を作成したので報告する.


【対象と方法】昨年度の予備調査の結果から,当初60項目あった健康関連QOL評価項目を51項目に減らし,その他として精神症状を評価する項目や痴呆性高齢者のおかれた環境を評価する項目も追加して質問票を作成した.質問に対する答えは,対象となる痴呆性高齢者の日常をよく知っている介護者に,4段階評価で回答してもらった.


【結果と考察】計264名の痴呆性高齢者に関するアンケート結果が回収された.因子分析により(1)陽性感情,(2)コミュニケーション能力,(3)陰性感情および陰性行動,(4)自発性および活動性,(5)落ち着きのなさ,(6)他者への愛着という6つの因子が抽出され,質問項目は51項目から31項目に絞られた.信頼性および妥当性についても検討を行い報告する.

2001/06/15


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