第16回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【II A-10】 |
社会対応 |
不眠高齢者に対する短時間昼寝と夕方の軽運動の |
国立精神・神経センター精神保健研究所老人精神保健部 田中秀樹 白川修一郎 |
不眠高齢者を対象に昼食後の短時間昼寝および夕方の軽運動の指導を保健行政のなかで介入的に行い,睡眠および精神健康に及ぼす影響について検討した.
【結果と考察】睡眠非良好群は良好群に比べ,中途覚醒が多く,睡眠効率が有意に低いことが判明し,睡眠の質や精神健康が悪化していることが確認できた.次に非良好群を対象に短時間昼寝と夕方の軽運動指導を4週間行い,介入効果を1週間の活動量測定により評価した.中途覚醒の減少,睡眠効率の増加が有意に認められ,夜間睡眠が質的に改善した.夕方の居眠りの有意な減少がみられ,日中を含め就眠前の適正な覚醒維持の確保が有効であった可能性が考えられた.また,睡眠改善に伴って精神健康も有意に改善していた.本研究より,日中の適正な覚醒確保が重要であることが検証でき,今回の介入技術の現場での施行が可能であることが示された. |
2001/06/15 |