第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【I B-18】

神経心理

健常高齢者の認知能力;MMSEを中心にして
      
 

名古屋市立大学医学部精神医学講座
中西雅夫 佐藤順子 古橋京子 太田彰子 仲秋秀太郎
名古屋市立大学看護学部  藤原奈佳子
名古屋大学大学院人間情報学研究科  濱島秀樹
名古屋第二赤十字病院言語科  辰巳寛
八事病院  吉田伸一
聖十字病院  田伏英晶
  

 痴呆の診断には,記憶障害と失語・失行・失認,実行機能障害を明らかにしなければならないが,これらの判定基準があいまいである.これらの判定基準作成の基礎データを得る目的で,種々の神経心理学的検査等を行った.


【対象】対象は在宅の高齢者133名(男34名,女99名)で,健常群94名(73.6±5.1歳,65〜85歳,男20名,女74名)と異常群39名(77.1±6.2歳,66〜95歳,男14名,女25名)に分けた.


【検査項目】握力,下肢の敏捷性,手腕・指先の器用さ,老研式活動能力指標,Mini-Mental State Examination(MMSE),かな拾いテスト(かな),Trail Making Test(TMT),言語性記憶検査“火事の話”(火事),Rey複雑図形(RCF),300語呼称検査(300語).書面での同意書を得て行った.
【結果】健常群のMMSEの得点は28.2±1.8,範囲は24〜30点,性別・教育歴で差はなく,かな・TMT・火事の遅延再生・RCFの直後再生・300語と相関し,年齢とは相関しなかった.

2001/06/13


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