第16回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【I B-9】 |
治療 |
老人保健施設におけるグループ回想法の試み |
岩手医科大学医学部神経精神科学講座 |
回想法およびライフレヴューは1960年代初頭にアメリカの精神科医Butler NBによって提唱された個人史の振り返りと再統合とを軸とする精神療法の一分野であり,おもに高齢者に関する医療・福祉・保健などの諸分野において実践および研究が展開されてきた.そこでは高齢者のみならず,介護に当たる家族や施設職員が高齢者に潜在する力や尊厳性を再認識し,彼ら自身もまた家庭や職場に関してあらたな視点を獲得しうるという側面も注目され,現代の超高齢化社会において高齢者とそれにかかわる人びとのQuality of Life(QOL)を総合的・有機的に向上させうる方法として期待される.今回われわれは,老人保健施設入所中の高齢者を対象としてグループ回想法を実施し,介入の前後にFunctional Assessment Staging(FAST),Mini-Mental State Examination(MMSE),改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),人生満足度尺度(LSI)およびバウムテストによる評価を行い,対照群と比較してその効果を検討した.発表では結果に若干の考察を加えて報告する. |
2001/06/13 |