第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【I B-7】

治療

軽症アルツハイマー病に対するドネペジルの臨床効果
    
 

社会保険広島市民病院神経科  好永順二 今村貴樹 中村靖 佐藤創一郎
  

【目的】アルツハイマー病(AD)の軽症患者に対するドネペジルの長期投与の有用性について検討する.

【対象と方法】ADの軽症患者5名(女性4名,男性1名,年齢52〜77歳)を対象に,ドネペジル5mg/dayを1年間投与し,投与前後の臨床的事項について比較検討した.

【結果】(1)HDS-Rの得点は,改善が3名(24→27,25→29,17→20),不変が2名(21→21,18→18)であった.MMSEの得点は,改善3名(26→28,25→26,21→22),不変1名(26→26),悪化1名(24→23)であった.(2)IMP-SPECTでは,脳血流の改善を認めた者は1名で,不変が2名,低下した者が2名であった.(3)症状経過に対する主たる介護者の印象は,はっきりした改善は認めないが,進行はしていないとする者が4名で,やや悪化したとする者が1名であった.

【結論】ADの軽症患者に対するドネペジルの長期投与は症状の進行を抑制する効果が期待できる.

2001/06/13


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